今回は HD FA43mm Limited のお話です。その理由はHDコーティング化での変化を一番感じるレンズで、絞りバネの円形化による効果も一番大きいと思うからです。

HDコーティングによる変化

よく言われているのがヌケが良くなったという話です。しかし、実際にヌケって何?と思ったことはないでしょうか。ヌケとはレンズの透過率と言われる光を通す力の違いです。ヌケが良いレンズはそれだけ透過率も高くスッキリした描写になります。

 

露出補正 -1.3EV レンズのヌケが良くなることで色の鮮やかさとシャドーの締まりのバランスが良くなる

 

露出補正 -0.7EV 逆光気味の厳しい条件でもシャドーの色の濁りを感じづらくなる

 

露出補正 -0.7EV シャドーの深みも感じやすくなる

ヌケが良くなる効果は上にあげたバランスと濁りの少なさ、深みの向上です。その結果 ナチュラル でもスッキリした印象になります。ナチュラルは大胆な露出補正をしたときの耐性が高いのも特徴です。

カメラとレンズ

改めて、カメラは PENTAX K-1 Mark II、レンズは HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedで、撮影モードはプログラムオート + ISO感度オートの「プロフェッショナルモード」です。ポイントはHD化されたレンズを使うことです。私自身smc版のFA43mmLimitedも使っていますがその違いは歴然です。ちなみに Made in JAPAN の smc は持っていないのですが、ちょっとHDタイプに近い印象があります。

濁りが少なく攻めやすい

モノクロオタクの私が色の濁りをいうのはちょっとおかしい感じですが、好んで撮影する条件では色が濁りやすいからモノクロというのもあります。そんな濁りを防ぐためにリバーサルフィルムなどコントラストが強いカスタムイメージを使えば良いのですが、先に話した露出耐性的にはナチュラルが良いんです。

露出補正 -0.7EV 映り込みと実像を合わせた風景。光も弱くアンダー露出にするとさらに色が濁りやすくなる

 

露出補正 -1.7EV 日陰の青空も濁りやすい条件。しっとりした感じにはナチュラルがあっている

 

輝度差にも強い

露出補正 -0.7EV 影の中と光の当たっている外の世界。基本的にはどちらかを優先する条件だが、輝度差に強いと扱いやすい

露出補正 -1.7EV 色の濁りやシャドーの締まりが気になるシーンでも安心して撮影できる

輝度差とは明るいところと暗いところの差です。晴れた街中ではこの差が大きくなる条件は増えます。トップ写真もそんな条件の1つですが、そんなときにもヌケが良いとハイライトとシャドーに粘りがでるので安心感があります。

気軽に使える画角とサイズ

露出補正 -1.3EV なんでもないシーンでも光と影を強調する露出にするとちょっと特別な雰囲気になるのが今回紹介したポイント

FA 43mm Limited の良さは気軽に使える画角とそのサイズ(軽さ)です。もちろん描写力にはLimitedらしい味わいがあります。さらに今回の組み合わせになると気になるポイントが少なくなるのでもっと気軽に使うためにプロフェショナルモードを選びました。

まとめ

今回のポイントは気軽さです。撮影したのは蒲田でした。気軽さのために新しいレンズに変えるというのがオススメです。ところで絞り開放での描写は?円形絞りの効果は?そんな難しい話はまたいつか。春の陽気に誘われて気楽にブラッとしましょう。

次回は、AFの測距点はど真ん中だけ使う です。

 

〔こちらの記事でご紹介した製品の情報はこちら〕

>>PENTAX K-1 Mark II製品ページ

>>HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited製品ページ