今回は 「やってみよう」ではなく「できるだけやらないほうがいい」です。

写真にとって狙いのないブレは禁物です。今回はイメージのブレで、モノトーンにするか、ハードモノトーンにするか悩みました。

カメラとレンズと撮影モード

カメラは K-3 Mark III、レンズは HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited(以下 DA70Ltd)。

撮影モード 絞り優先 F2.4
WB 太陽光  ISO感度 AUTO

久しぶりのリアルイベント

今回撮影したのは北海道大学の構内です。初めて訪れた場所でしたが、自然の地形を活かしながら程よく整備されているのが印象的でとても開放的な気分になれました。構内に入るときに特別なチェックが必要ないのもありがたいです。

露出補正 -0.7EV(左右共通) 爽やかな雰囲気を活かす左、木漏れ日を強調する右で悩んだ。

撮影したのはワークショップの後でした。ワークショップ中は初めて自分のカメラを使わずに過ごし、終了後に再び訪れて自分の撮影を始めました。最初に悩んだのは、ワークショップ中から感じていたとても爽やかな雰囲気を活かすのか?少し傾いた光を強調することを優先するのか?そんな仕上げのことでした。

基本的には+RAWの設定なので後で変更することはできます。それでも撮影時の狙いを絞るために設定はしっかり決めたいと考えています。

強さを優先

露出補正 -0.3EV 強さを優先したので、ハードモノトーンを選んだ

 

露出補正 -0.3EV できるだけアングルを下げて遠くの強い光を映りこませた

結局少し弱くなりかけた光を強調することにしました。そうなると狙うバランスも光が際立つことがポイントになります。RAW現像で後からというのをできるだけしないのはそんな狙い方を決めるためでもあります。

強さが引き立つバランス

露出補正 -0.3EV 逆光で光り輝く葉っぱを狙った

 

露出補正 – 0.3EV 影と形の組み合わせを切りとった

 

露出補正 – 0.3EV 光の中に人物が入って強さが活きるタイミングを待った

 

露出補正 – 0.7EV 光と影で形を浮き上がらせた

このときは強さを意識したので、構図のまとめ方もその強さを活かすように中望遠らしい切りとりを使うようになっていました。仕上がりのイメージを決めるとそんなまとめ方の方向性が決めやすくなります。

歴史を感じてブレた

撮影していると大切にされている歴史と空間を感じることが多くなり、そんな歴史や空間も残したい思いが少しづつ芽生えてきました。

露出補正 – 0.7EV この場所に宿る歴史を感じながら



露出補正 – 0.7EV 左、撮影時のまま、RAW現像したモノトーン

そもそもワークショップ中にもっとこの場所を感じていればよかったのですが、そこまで器用にできない人なんです。さらに久しぶりのリアルイベントで少し舞い上がっていたのかもしれません(笑)そして、改めて自分の撮影をしている中で感じたのはこの場所に広がる歴史とのどかさでした。そんなことを感じ始めてからはRAW現像した写真のように少し周りを活かした撮影が多くなっていました。

きっかけは些細なこと

露出補正 – 0.3EV 露出補正を変えて撮影した1枚

上の写真は撮影後の確認をした後に露出補正を0.3段明るくしてもう一度撮り直したものです。ちょっと引いた感じで撮りながら最初に決めた強さより再現性を優先した方がよかったかも、そんなことを感じた瞬間でもありました。

そこでもう一度初めから撮り直す?そんな選択肢もあったと思います。しかし、私にはその選択肢はありません。それが本当に必要ならば 改めて仕切り直す というのがこれまで貫いてきた撮影スタイルです。こんな発想はとてもスマートではありません。それでも写真で捉える一期一会を大切にするために 決めたことを貫くことにこだわっています。

まとめ

何がよかったのか?それは永遠のジレンマだと思います。それでもそのとき最適と感じたことに集中すれば感じることが増えます。集中することで想像力の扉は開きます。撮影後の確認をあまりしないようにしているのは想像力の扉をもっと大きく開くためです。そして、そのために一眼レフというシステムがあっていると感じています。

 

次回は、九秋のお話 です。