• 今回は新しいDFA100mmMACROのお話です。いろいろな投稿を見ながら俺も使いたいと編集長におねだりしました。そんなこともあってマクロ的からフルサイズ、APS-Cサイズ、スナップ的な写真をまとめて紹介します。

カメラとレンズと撮影モード

カメラ:PENTAX K-1 Mark II / K-3 Mark III
レンズ:HD PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8ED AW

カスタムイメージ ナチュラル
撮影モード 絞り優先
WB 太陽光
ISO感度 AUTO

全て大文字のMACRO

この話はペンタキシアン的にはおなじみかもしれないですが、今回の新しい FA100mm MACROはマクロが全て大文字で、DA35mm Macro Limited は小文字混じりで表記されます。これには明確な違いがあるそうで、近接撮影時に小さな文字を撮影したときの収差をあえて少し残してあるのが小文字のマクロレンズ、しっかり補正してあるのが大文字のマクロレンズです。もちろんマクロレンズとしての特性が揃っているのが大文字 MACRO で小文字の Macro Limited は味わいを意識してあえて違いをつけてあるそうです。ということで、まずはマクロ域の描写。と言っても小さな文字を撮ったわけではないのでちょっと本末転倒かもしれません(笑)

露出補正 左 -1.0EV 右+ 1.3EV 左が K-1 Mark II右が K-3 Mark III大きな違いはワーキングディスタンス。K-3 Mark III の方が遠くの被写体を大きく捉えることができる

ワーキングディスタンスとは同じサイズに拡大したときのレンズから被写体までの距離のことです。APS-Cサイズのセンサーを使っている K-3 Mark III の方が同じサイズにするなら少し離れた距離で被写体を捉えることができます。レンズから被写体までの距離を同じにすればそれだけ拡大されることになります。

こんな違いもあってかマクロ域は K-3 Mark IIIの方が使い勝手が良い気がしました。ちなみにマクロ域での撮影は基本的にマニュアルフォーカス(以下 MF)です。

露出補正 -1.3EV 同じような距離ならより大きく拡大されるので、不思議な印象を作りやすい。撮影したのは車のヘッドライト

露出補正 -0.7EV 小さなものを切りとるのにもあっている

マクロ撮影の楽しさは虫眼鏡で観察しているような新たな発見があることです。細かいものを拡大するので被写体が動いたり、自分自身の動きを安定させるのに苦労します。そんなこともあってピントはより微調整がしやすいMFにしました。

最新ファームウェアではこのレンズ用にフォーカスリミッターという機能が追加されています。この機能を使うと近接や遠景だけにオートフォーカスの駆動を制限できるので、ピントが迷ったときの動きも少なくなります。

という機能を教えていただいたのですが、ちょっと古い人間なのでマクロ域はMFの方が使いやすく感じました(笑)。

パープルフリンジ激減で画質もスッキリ

パープルフリンジとは細かい反射の部分に紫色の色づきが出ることです。ペンタックスのレンズではある意味これは当たり前のようなところがありましたが、今回の新設計のレンズでは激減しています。

ちなみにパープルフリンジはカメラ内の後処理で大幅に軽減することができます。

露出補正 -1.3EV こんな細かい枝を逆行気味で撮影すると以前はよく出ていたのがほぼなくなっている

露出補正 -2.0EV こんな手すりのところにも出やすかったが今回は全く感じられない

露出補正 -0.7EV スッキリとキレを感じる描写は好印象

絞り F2.8 露出補正 -1.0EV 少し距離が離れた竹。日陰の条件でもその繊細さを確認できる

絞り F2.8 露出補正 -0.3EV トーンの再現もとてもなめら

露出補正 -0.3EV 夕方の光が弱い条件で少し離れた被写体を分離する力が高くボケはとてもナチュラル

メーカーのホームページにもあるようにパープルフリンジはあくまでも軽減です。全く出ないわけではないですが、これまでとくらべるとほとんど解消されたと書いても良いぐらいだと思いました。

その描写はスッキリとしているので中望遠レンズとしても使いやすいと感じました。フィルターの口径は 48mm∅ でレンズの鏡胴も少し細身な印象で取り回しやすいのもスナップで使いやすいと感じたポイントです。

露出補正 -1.0EV K-1 Mark IIにつけるといっそう細く感じる。お借りしたのはすでに販売が終了しているシルバーモデル

中望遠スナップで使いたい

中望遠レンズでスナップ撮影というのはあまり聞きなれないとは思いますが、その特性である切りとりを活かすと自分の好みがわかりやすくなります。そんな切りとりで程よい距離感になるのが100mmの画角です。

絞り F2.8 露出補正 -1.3EV 中望遠レンズでのスナップのポイントはなんでもないところを切りとること。目で見ているのとは違う陰影やボケで印象が変わる

絞り F2.8 露出補正 -1.0EV 特別なものを探すよりありふれたところがちょっと特別に見えるアングルを探すのが大事。この写真はしゃがんでローアングルから撮影している

絞り F2.8 露出補正 -0.7EV 気になるところを切りとるときに周りを少し入れると雰囲気がでやすい

絞り F2.8 露出補正 -0.7EV 周りを入れて散漫にしないバランスは微妙なので知識より数をこなして自分なりの答えを見つける

変化のポイントは距離感

マクロレンズは近接撮影が得意なレンズなので、気になったものにいくらでも寄っていけます。これは狙いを明確にするためには良いことですが、同じようなパターンになりやすい落とし穴があります。中望遠レンズのスナップで変化をつけるためには距離感を変えるのがポイントです。

絞り F2.8 露出補正 -0.7EV 狙う被写体までの距離を少し離して程よく周りを入れる発想が変化の第一歩になる

左右共通 絞り F2.8 露出補正 -1.0EV 左はポートレート撮影などの距離感に近くこの距離感でスナップすると単調になる。右は ゆとり と呼んでいる距離感で、ちょっと遠くの被写体を捉えられるようになると変化がついて中望遠レンズのスナップの幅が広がる

絞り F2.8 露出補正 -1.0EV ゆとり の距離感で捉えたおじさん。このときもかなりローアングルにして広がりの印象を加えている。広がりの印象が入るとゆとりの距離感がさらに活きる

絞り F2.8 露出補正 -1.3EV APS-Cサイズでは画角が狭くなる分、ゆとりの距離感もより遠くに離す必要がでてくる

絞り F2.8 露出補正 -1.0EV APS-Cサイズのカメラで使うときはここまで遠くのものを狙う感覚がゆとりの距離感になる

最後はちょっと大げさな対比になっていますが、スナップで変化を作るときは PENTAX K-1 Mark IIの方が使いやすく感じました。これは私が100mmの画角でのスナップ撮影になれているからかもしれませんが、中望遠レンズのスナップを始めるのに程よい画角です。

まとめ

今回はマニアックな解説が多くなりましたが、ちょっと細身で扱いやすい印象のレンズでした。結局、 K-1 Mark IIと K-3 Mark IIIではどっちが良いの?そんな明確な答えを求められそうですが、どっちも楽しいというのが答えです。例えば KF のようなもう少し軽量のカメラで使っても取り回しが良いと思います。大切なのはマクロだけでなくスナップレンズとしても活用することです。

 

次回は、魅惑のシャドーぼかし です。

以上です。
よろしくお願い致します。