
今回はPENTAXクラブハウスでの作品展の展示作品の一部を紹介しながらPENTAX K-3 Mark III Monochrome(以下 K-3IIIM)やモノクロ写真の魅力に迫っていきます。
モノ☆クロ2
PENTAX K-3 Mark III Monochrome 撮り下ろし
佐々木啓太作品展「モノ☆クロ 2」
PENTAX CLUB HOUSE
2023年10月2日(月)〜 10月31日(火)
11:00〜18:00(休館日 水・日・祝)
※ギャラリートーク 10月28日(土) 18:00~
ご好評いただいた「モノ☆クロ」の第2弾で、オリジナルプリントの展示と販売を行います。今回はハードやセピア(調色)を使ったかっこよさをメインに可愛らしさや懐かしさのスパイスを加えました。常時8枚の展示で会期の前半と後半で写真を大きく入れ替えます。
カメラとレンズ
カメラ:PENTAX K-3 Mark III Monochrome
レンズ:HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited・HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited・HD PENTAX-D FA☆50mmF1.4 SDM AW
ハード + ハイコントラスト
以前ケイタのやってみようシリーズ 第43回「ハードに決める」で紹介した設定を使ったイメージです。かなりコントラストが強くなるので思い切った狙い方が合っていて、黒つぶれが……など気にせず、そこを大胆に使って画面構成してください。今回の展示では用紙を2種類使っているので、黒の雰囲気の違いも楽しんでいただけるようになっています。
ハードの設定
キー – 3 / コントラスト 3(残りはデフォルト)
デジタルフィルターの設定
ハイコントラスト 4
スタンダード

DA70Ltd 絞り優先 F2.4 露出補正 +1.3EV 山あいにのんびり佇む煙突を見つけて、この場所ののんびりした雰囲気にはスタンダードのトーンが似合うと感じた。背景に空が入ると抜けた印象になるので、そこは意識して構図を決めた

HD DFA☆50 絞り優先 F1.4 露出補正 – 1.3EV 斜光線が葉っぱを照らす光景に引き寄せられるようにレンズを向けた。光の輝きは自分の立ち位置や高さでも変わるので、カメラを構える前に輝きを確認した

DA70Ltd プログラムオート 露出補正 – 1.7EV 何気ない光が街の片隅を輝かしていた。そんな一瞬の光景を見つけるのがモノクロ写真の醍醐味でもある。ポイントはモノクロになったときのイメージを思い浮かべること
モノクロ撮影でもっとも大切なのは光を見極めることで、それを再現するのに気を付けるがことがその光をみる角度と露出補正です。光を感じる感性が研ぎ澄まされると、モノクロになったときの風景が意識できるようになって、光の次の動きもわかりようにもなります。そんな感性を磨いてくれるのが、光学ファインダーとちょっとシビアなスタンダードです。
最後はセピア(展示は後半)

DA70Ltd プログラムオート 露出補正 – 0.7EV ちょっとサンフランシスコまで、そんな妄想を抱きながら撮影した1枚。イメージを膨らますのもモノクロでは大事。イメージは妄想が一番で、妄想にいらないところを省くとまとまる

DA70Ltd 絞り優先 F2.4 露出補正 – 1.0EV ちょっとピンボケ?タイミングを優先したので地面にピントを合わせて待っていた。シャッターを切る前にはいくつも考えることがあるが、その中で優先順位を決めると狙いが絞りやすくなる
フィルム時代にもプリントを保護するために調色をすることがありました。K3IIIMでもカスタムイメージの詳細設定で調色を選べます。今回使ったのは+1のセピアです。強さは少し控えめですが、カスタムイメージ:ハード をベースにしているので程よい雰囲気になります。その魅力はちょっとノスタルジックに感じることです。
セピアの設定(カスタムイメージ :ハード)
調色 1 / キー – 2 / コントラスト 3 / ハイライト + 1 / シャドー -3 (残りはデフォルト)
まとめ
展示用に準備した作品は20点で、その中からピックアップして紹介しました。デジタル時代は設定やテクニックが重視されることが多くなりましたが、モノクロで大事にしているのはフィルム時代から変わらずトーンです。それには光の見極めと露出補正がポイントで、再現するためにはプリントの仕上げが大事になります。プリントを仕上げるためには部分的な調整も必須です。その全てをお伝えするにはオリジナルプリントを見ていただくのが一番だと思っています。是非とも会場でオリジナルプリントをご覧ください。展示している作品以外の作品もスタッフの方に声をかけて頂ければご覧いただけます。