※この記事は、ペンタックス(PENTAX by RICOH IMAGING)Facebookページからの転載です。

こんにちは、Andyです。社内ライターの一人がバイクで鞆の浦まで行った話を聞き、梅雨入りしたにもかかわらず旅心に火が付いてしまったAndyです。

今回は「ひとり旅のススメ」です。20年近く前から割と自然に、写真を撮りに旅に出るというとひとりで出掛けることが多かったのですが、たまに「ひとりじゃ寂しくない」?などと珍しがられます。今回はそんな「ひとり旅」の魅力をお伝えします。

ひとり旅の魅力 1:行動が自由

列車だったら、車窓を見て「この駅で途中下車したいなあ」とか、街を歩いていたら「なんかあの先の路地が面白そうだからちょっと足を延ばしてみたいな」とか、突然思うことがあります。

複数のメンバーでの旅行だとそういうことを思っても実際には躊躇してしまいますよね。でもひとりなら気兼ねなく思った通りに行動ができます。

時々それがアダになって一番行きたかった場所に行けなかったりもしますが、それ以上に予想していなかった素敵な光景に出会えたります。

ひとり旅の魅力 2:じっくり撮れる

何人かの旅行で自分だけが写真を趣味としている時はもちろん、写真を趣味とする仲間同士での旅行でも、興味を持つ対象は微妙に違ったりしますよね。

「ここもうちょっとじっくり撮りたいんだけど・・・」って不満が溜まったり、逆に「ここはもういいから行こうよ」なんて思っちゃうことも。

ひとりなら気に入った場所で好きなだで撮ればいいし、のんびりしてもいいですよね。

ひとり旅の魅力 3:旅先の出会いが飛び込んでくる

でも、ひとり旅の醍醐味の一番はこれ。

なんの根拠もないのですが、ひとり旅をしているといろんな出会いが飛び込んでくるんです。

五島列島のとある港をひとりで歩いていると、地元のおじいさんから突然声を掛けられ、世界中の海を廻った話を聞くことになったり、尾道の喫茶店で仲良くなったマスターから「今度はここへ行ってごらん」と鞆の浦のことを教えてもらったり。

南予は外泊(そとどまり)の民宿では、釣りに来るのでもなくひとりでふらりと訪れた旅人を面白く思ったのか、女将さんが集落の事、地の魚のこと、民宿の先代の人気女将のこと、ここに来た有名な写真家のことなど、沢山教えてくれた上に、翌朝は少し遠いバスターミナルまでクルマで送ってくれるというオマケまでついてきました。

ひとりだと相手も警戒心が薄れるのでしょうか、それとも単に珍しいひとり旅の旅人を面白がってなのでしょうか。

ときどき相手から声をかけられて、えらく面白い話を聞けるという出会いがあります。割と引っ込み思案でガツガツ声をかけることが苦手な自分にとっては貴重な出会いです。

みなさんもたまには「ひとり旅」してみませんか?新鮮な写真と発見に巡り合えるかもしれません。

ひとり旅の写真と思い出

歴史ある鞆の浦の港。この港を初めて訪れた2006年当時はまだあの映画も、坂本龍馬ブームも無く、関東から観光客は少なくてとても珍しがられました。

 

鞆の浦の港を見下ろす見晴らしの良いカフェ。鞆の浦を教えてくれた尾道の喫茶店のマスターは、このカフェがある街ということで鞆の浦を知っていたようです。

 

鞆の浦を知るきっかけとなった尾道は、尾道水道を渡船(車も載せられる渡し舟)が行き交う素敵な坂と海の街。

尾道は坂道で良く知られた街ですが、あちこちで「今日はどっちへいくんだい?」「こっちの通りもいいよ」と街の人が教えてくれます。写真を撮る人が多く訪れるようになる前から文学好きや映画好きの旅人を迎える街の人の心意気があるのかもしれません。

 

尾道のあちこちにある猫石。こういうのを探しながら歩くのもひとり旅ならでは。

 

今はたたんでしまった尾道の喫茶店のじゃこクッキーは潮の香りがしました。

 

五島列島のとある港で突然声を掛けられたおじいさん。かつて捕鯨船や遠洋漁船に乗って北は北極海から南は南氷洋まで世界中の海を廻ったそうで、スケールの大きい話をたくさん聞かせていただきました。この日は日曜日、日曜礼拝の帰りとのことでした。

 

南予(愛媛県)は「外泊(そとどまり)」の集落。急峻な坂に「野良積み」と言われる荒々しい石垣に囲まれて家々が建っています。長いことドイツでお医者さんをしているという方が、日本に帰ってこられる度に泊りに来られるんだと民宿の女将さんがおっしゃっていました。

 

小樽の運河を歩いていたら素敵な音色の楽器を弾いている方に出会い、少し勇気を出して声をかけて撮らせていただいたのですが、「ここで演奏しているとみんな黙って写真を撮っていくんだよね。まぁ見せるためにここで演っているんだから別にいいんだけど、今日は律儀に声をかけてくれてとても嬉しかった」と言われたのが印象的でした。「ハンマーダルシマー」という中世のピアノの原型となった楽器で、とても澄んだ音色が小樽の運河の雰囲気ととても合っていました。実はこの方、ハンマーダルシマーの世界ではかなり有名な方だと後になって知りました。