※この記事は、ペンタックス(PENTAX by RICOH IMAGING)Facebookページからの転載です。

こんにちは、Andyです。フォトスクールやイベントでご一緒された方はご存知かもしれませんが、“Andy’s Photo Journey”というテーマでの展示をライフワークにしているくらいに、旅が好きです。その中でも列車やバスなどの公共交通機関と自分の足で稼ぐスタイルが好き。最近は時間に追われて現地までは飛行機を使うことが多いですが、昔は東京や新宿を出る夜行快速で夜通しかけて移動したものです。そして過去の写真三昧やここの記事にも何度か書いているように、いろんな街を撮り歩くのが好きです。

前置きが長くなりましたが、今回は「旅の時にどんな機材や荷物で出かけているのか?」というお話です。

機材

これは後で書くカバンに入れる荷物の話にも繋がるのですが、機材は厳選に厳選を重ねて最小限のアイテムに絞ります。

自分は大体、APS-Cのボディに標準ズームレンズ1本、コンパクトな望遠ズーム1本が基本です。どうしても必要性を感じた時だけマクロレンズを持っていくのですが、いつもこのマクロの使用頻度が低くて、最近は2本に絞ってしまうことが多くなりました。旅の機材のメインに単焦点レンズを選択することはありません。

最近ですとKP+HD DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WR、それにHD DA55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REを組み合わせるのが定番になっています。



誤解の無いように言っておくと、単焦点レンズも好きですよ。例えば隣町である鎌倉に出掛けて半日ぶらりと出かける、みたいな時に「じゃあ21mm Limitedをセットして行こうか」とかそういうのは好きです。そこから見えてくる世界の面白さもありますからね。気になるレンズは食わず嫌いせずにどんどん買って試してみましょうと煽っておきますね(笑)ただ、ある程度の期間の「旅」に出ようと思ったときには、そこに持っていく機材をある程度絞り込むことは必要だ、という話です。

あとは、これに予備バッテリー(日数によっては充電器を持たず予備バッテリーの数で余裕を持たせる場合もあります)、最低限のメンテナンス用品(と言ってもクロスと小さいブロアくらいですが)、予備のSDカードですかね。

カメラバッグと機材以外の荷物

まず、1週間とか長期の行程でない限りはリュックかショルダータイプのカメラバッグを選びます。スーツケースはできる限り使いたくないのです。ちょっとカッコよく言うと「旅は家を出た瞬間から始まっている」から。まぁそれはカッコつけすぎとしても、スーツケースだと両手が自由にならないので、旅先の駅に到着してから、一度宿に荷物を預けないと本格的に撮影を始められません。でも「旅先の駅に着いた瞬間」の気持ちって独特なんですよね。できればこの瞬間からシャッターを切りたい。荷物は「最初から最後まで身に着けられる一つのもの」にしたいんです。

では「リュックかショルダーか」。それは永遠のテーマです。長時間歩くことを考えればリュックの方が楽。でも自分の好きな街歩きでは、カメラやレンズをすぐに出したりしまったりできるショルダータイプの方が便利。でもショルダータイプは片方の肩に負担が掛かるので疲れやすい。一長一短で、何年か置きにこの両者を行ったり来たりをしているのですが、最近はショルダータイプで落ち着いていて、TENBAのメッセンジャーシリーズ、DNA15を愛用しています。

カバーを全部開けるのにはマジックテープを外す必要がありますが、大きい音を出したくないシーンや、掛けたまま中身をさっと取り出したい時にはジッパーを引くだけで簡単に中身にアクセスできます。最近このタイプが多くなって便利になりました。

自分のスタイルで1泊から2泊くらいの旅にちょうどいいサイズで、割と使い始めから体に馴染みます。ヘタってくると買い替えのチャンス、と少し悩むのですが結局これに落ち着き、いま使っているのはもう3代目。初代から比べるとちょっとずつ使いやすく改良されているのも嬉しいのです。

TENBA DNA15。バッグは入手して最初にショルダーパッドを外してしまいます。

最近のショルダーパッドは性能も付け心地も良くなっていますが、自分は「その時々の服装に合わせたり、列車で座っている時などにショルダーの長さを頻繁に変えたい」ということと、ショルダーパットが肩に食い込む感覚が好きではないので外してしまいます。

以前のいくつかのモデルではこれを外すために一度ストラップをバッグから外して、ずるずると引き出すという面倒な作業が必要でしたが(しかも一度外したら付け直すのは難しい)、最近は自分みたいに外す人のことも考慮してくれているのでしょうか、マジックテープで簡単に外すことができます。そうそう、自分はなで肩でストラップがずり落ちやすいので、たすき掛けにしています。ただ、たすき掛けは体のバランスを崩しやすいので、時々掛ける肩を逆にするといいそうですよ。

ではこのバッグ中にどんなものをどんな風に入れているのでしょうか。
昔ある山岳小説で、荷物一つ一つの重さを測ってグラム単位で荷物を調整すると書いてあったのを読んだ記憶があります。荷造りの時にこれと似たようなことをやります。このバッグは普段の通勤でも使っているのですが、中身を一度全部出して棚卸しをします。例えば…

・普段仕事で使うことが多い3色のボールペンとシャーペンを、多少書き心地を犠牲にしてシャーペンとボールペン2色混合の1本の筆記用具に変えます。

これはシャーペンと黒・赤ボールペンの3色。

・自宅の鍵(普段は近くの実家の鍵と合わせてキーホルダーに付けているものを、キーホールだーを外して自宅の鍵だけにします。(旅から帰ってくるまでは一度も使わないですからね)
・財布の中身を整理。たぶん旅先で使わないポイントカードやクーポン券などを取り出します。
・SDカードケースを軽いものに(これは以前に買い替えました。)
・携帯の充電器(これもアンペアは低いけれど小さくて軽いものを旅用に購入しました)

一つ一つは10グラムとか25グラム、とか小さいことなのですが、積み重ねると結構大きいのです。以前、この作業をキッチンスケールで1個1個測りながらやってみたら、なんと600グラムも減らすことができました。この600グラムをどう生かすか。持っていきたいけれど重さが・・と思っていたレンズがもう1本持って行けるかもしれません!自分の場合はこの軽くできた重量はそのまま、軽くなったままにしておきます。それはなぜかというと…

旅先で歩き回っていると、ふと「あ、この路地をまっすぐ100mくらい歩いた先のあの曲がり角を右に曲がったら素敵な光景がありそうな気がする」というような直感が働くことがあります。その時すっかり疲れていて「もう足が動かない。今日はもういいや」と諦めてしまったらそこでおしまい。旅先では自分の体と足だけが頼りです。その時のために、事前にでることはすべてやっておく。荷物を軽くするというのもその一つです。

ところでカメラ用のバッグは、精密機器であるカメラを衝撃から守るためにしっかりとしたクッションが入っていて、だから大きさの割にあまり多くのものが入りません。中仕切りの間に着替えなど機材以外の荷物を入れると、カメラ・レンズのためのスペースが無くなってしまいます。さてどうするか。一度中仕切りをバッグから取り出します。そこに現われるバッグの底に日数分の着替えなどを、なるべく薄くなるように折りたたんで敷き詰めます。旅先で昼間に着替えることはあまりないですからね。

中仕切りを出したカメラバッグの底が実は便利に使えるスペース

その上にもう一度中仕切りを乗せて、機材を入れると機材の重みで中仕切りが沈みます。多少、そうですね2、3cmは中仕切りの位置が高くなりますが、実用上問題ありません。こうして昼間は必要のないものを隠してしまいます。こうすることで、中仕切りはゆとりを持って機材を入れるスペースとして使うことができるのです。

底に着替えを入れてから中仕切りを入れた状態。そんなに飛び出すことはありません。

余談ですが、タイミングが合えば穴が開きかけたような靴下などを積極的に持っていきます。ええ、旅先で一度履いたらサヨナラして、帰りの荷物が減らせるからです(笑)また昔の話ですが、列車の長旅のお供に持っていった小説は、旅先の宿で寄付してくる、なんてこともやりました。そうすると帰りのちょっとしたお土産スペースができるんです。お土産の基準は「バッグの中のスペースに収まる」ことが絶対条件(笑)旅が終わるまで、バッグ以外で手を塞ぎたくないからです。

いけませんね、こんなことを書いていたらまた旅に出たくなってしまいました(笑)
まだまだ寒い日が続きますが、でも春はもうすぐそこまで来ています。たまにはカメラバッグを新調して、新しい撮影の旅の準備を始めてみませんか?