こんにちは、朝倉です。

今までPENTAX公式Facebookでライターとして記事を書いていましたが、PENTAX officialでは初めましてなので少し自己紹介を。

いつもはリコーイメージングスクエア大阪でフォトスクールや写真展の運営、窓口応対などをしています。

愛機はPENTAX K-1(無印)で、皆さんと同じくLimitedレンズの虜になった一人です。

Facebookの記事と同様、自身で撮影した写真を元に、カメラやレンズのオススメの撮り方や設定について書いていこうと思っています。

よろしくお願いします。

 

1. 縦か横か

さて、突然ですが、皆さんは写真を撮るとき、縦構図か横構図、どちらが好きですか?

僕は断然、横構図です。

え?縦じゃないの?縦構図のススメって言ってるのに…と思われたでしょうけど、実際僕が好きなのは横構図なのです。

横構図が好きな理由が特にあるわけではありませんが、なんとなく横の方が落ち着くからというのが理由でしょうか。

僕は28mmぐらいの広角~50mmぐらいの標準レンズが好きで、愛用しているFA Limitedの3本のうち31mmと43mmを多用しています。人間の視野に近い画角と遠近感が僕の体に染みついていて、それをスッと構える時に横構図がしっくりくる。

それと写真を撮るとき、そのシーンを客観的視線というか俯瞰的に一つの舞台として見て、その演出をするような撮り方が好きなので、縦よりも横の方が表現しやすいという、その2つがなんとなく落ち着く理由だと思います。

ではなぜ、縦構図を勧めるのか。

 

2. 縦構図がもたらすもの

僕が縦構図で撮りたくなる時、それは縦に長い(高い)ものを撮る時…ではなく、望遠レンズを使う時です。

望遠レンズは画角が狭いので、一つのものをクローズアップできて、「撮りたいと感じたもの」をより主観的に切り撮ることができます。

それに加えて更に縦構図にすると、人間の視線よりも更に横方向に狭くなり、より主観的な表現をすることができます。

普段、広角~標準を好んで使っている僕が望遠レンズを使う時、それはいつもとは違う表現を楽しみたい時。

縦構図のもたらすもの、それはいつもとは違うもっと主観的な自分を楽しめる時間なのかもしれません。

 

3. 晩秋の京都を縦構図で切り撮る

秋が終わりを迎えようとしている先日、京都東山に行ってきました。

京都東山といえば、つい先日、祇園町南側地区に「私道での撮影禁止」の看板が立てられたことが記憶に新しいですが、僕は写真を始める以前からこのあたりをブラブラするのが好きで、今でもよく写真を撮りに出かけている場所です。

そんな場所に「撮影禁止」の看板が立ったことで、これからは写真が撮れなくなってしまうのか…と思い、とりあえず見て聞いてみようと行ってきました。

事前に京都市役所など、いくつかの機関に問い合わせたところ、やはり「私道に入り込んでの撮影はNG」との回答でしたが、「大がかりな団体撮影でない限りは、マナーを守って撮影いただければ。」と言われました。昨今取りざたされている撮影マナーについて、改めて僕たちももっと考えていかなければと深く感じました。

さて、そんな京都東山をK-1にFA77Ltdだけ持って、更に縦構図しばりで一日撮影してきました。

京都の路地は狭く入り組んでいるので広角レンズで…という方もおられるかもしれませんが、逆に望遠レンズの圧縮効果でその狭い道をグッと引き寄せて撮ると、凄く相性が良いんです。

FA77Ltdの距離感もちょうど良く、「このレンズは京都を歩くために作られたのでは?」と錯覚するほど。

更に縦構図にすることで、狭い路地の奥行き感、晩秋の京都の風情をギュッと凝縮して撮ることができました。

もちろん現地でも私道(太い道から伸びている細い路地)については、路地の外側、撮る前に近くに住む方に「撮っても良いですか?」と声かけをしてから撮影しています。

 

〔クリックでそれぞれの写真を閲覧できます〕

 

4. 縦構図のススメ

縦構図×FA77Ltd×京都、いかがでしたか?

僕にとって京都の街はいつもよく行くお馴染みの場所。そんな場所も縦構図と望遠レンズにしばることで、今までとはまた違った視点で、僕がその日に歩いて見て感じた京都の街を主観的に表現できたと思います。

是非皆さんも、いつもの何気ない景色を縦構図で撮ってみてください。

主観的に撮ったその写真を観かえした時、「自分はこんな風にこの街を見てたんだ」とある意味客観的に自分を見ることができるのかもしれません。