今回使うのは、デジタルフィルター:ハードモノクロームです。と、その前にちょっと更新が滞ってしまい申し訳ありません。実は夏休み気分でのほほんとのんびり過ごしておりました。そんなわけないか(笑)という冗談はさておき始めましょう。

オススメのカメラとレンズ

カメラは PENTAX K-3 Mark III 、レンズは HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited です。実はデジタルフィルターはこのカメラになってやっと処理が早くなり、撮影後に待たされることがなくなりました。レンズはコンパクトで気軽に使いやすいという選択です。撮影はプログラムオート+ISO感度オートのプロフェッショナルモード、カスタムイメージはモノトーンです。

ハードとソフトの融合

ポイントはレンズの前につける光学フィルター BLACK MIST No.1 というソフトフィルターです。最近はソフト効果が少し弱いNo.05の方が有名ですが、このフィルターの特徴は暗部の締まりをほとんどそこなわずにソフト効果を得られることです。そうするとハードモノクロームのコントラストの強さとソフトフィルターらしい光のにじみを同時に表現できます。

 

露出補正 +1.0。ハードモノクロームらしい強い黒の引き締まりを残したままハイライトにはソフト効果のにじみが入る。

 

 

露出補正 +1.0。暗部の深みを残したまま光のにじみが加わる。

 

ペンタックスに詳しい皆さんであれば、わざわざ光学のソフトフィルターを使わなくても、撮影後にデジタルフィルター:ソフト(シャドーぼかし)で良いのでは?そんなことを感じるでしょう。それは正解かもしれません。しかし、写真は目的を決めて撮るというのも大事です。撮影後の後処理で変化を加えやすいのはデジタルの最大の利点ですが、改めて表現の基本である、目的を決めることを意識してください。

露出補正は+1.0EVが基準

ソフトフィルターの効果がわかりやすのはハイライトのにじみです。その効果を強調するために露出補正は+1.0EVを基準にします。

 

〔左:露出補正なし〕


〔右:露出補正 +1.0EV


露出補正なしと+1.0を比較すると露出補正をしていない方は重たく感じる。オーバー露出にすると白トビが気になるかもしれないが、光のにじみが入るのでそれほど気にする必要はない。

 

 

露出補正 +1.0EV。思い切ってとばしてしまった方がこの組み合わせらしい効果を得やすい。

 

 

露出補正 +1.0EV。ハイライトをとばし気味にしても形や中間の質感はしっかり残る。

 

 

露出補正 +1.0EV。モノクロなので形だけになった方が面白い条件もある。

最後はタイミング

レンズの紹介でも書いたように今回使ったレンズはとてもコンパクトで取り回しが良く、オーバー気味で撮っていると多少構図が傾いたりとちょっとラフになってもそれが雰囲気になります。とはいえ、いつも適当に撮っているとそれはそれでちょっと問題が残ります。そこで、たまにタイミングを狙いましょう。

 

露出補正 +1.3。左右からくる人のバランスを意識してタイミングを狙った。人物の形に注目が集まりやすくするために露出はさらにオーバーの+1.3EVにした。

 

 

露出補正 +1.3。明るい未来の中に電車が溶け込んでいくイメージ。

 

〔左:BLACK MIST No.1 をつけた 21mm〕

フードを外してフィルターだけならかぶせ式のメタルフードが使える。

〔右:フィルター径は49mm(最小サイズ)〕

37mm径であれば、フードの内側に使える。

 

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次回は、モノトトーンでのキーのお話 です。

 

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