今回はセピアのお話です。フィルム時代、銀の経年劣化を防ぐために調色というのが使われ、その代表格がセピア調色でした。これは扱いやすいという利点があってちょっとノスタルジックな雰囲気になるからです。カスタムイメージの詳細設定にこの調色が入っているのでそれを使いました。

調色は強さを選べる

カスタムイメージ:モノトーンの詳細の調色は今回紹介するセピア調になるアンバーとブルーがあります。それぞれ +4と −4まで強さを変えることができます。今回はアンバーの+3と +2を使います。

カメラとレンズ

カメラはPENTAX K-3 Mark IIIです。今回もトップのような表現ではデジタルフィルターを使っています。レンズはHD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limitedです。このレンズの広がりは画面内の輝度差をコントロールする難しさはありますが、トーンの再現力は高いので雰囲気作りにあっています。使いこなしのポイントはアングル選びで、アングルを低くして被写体に対して少し斜めにあおるようにしたり、上から見下げるようにすると広さが強調されます。それとは逆に水平にするとちょっと普通に見えます。撮影はいつものプロフェッショナルモードです。

テーマはノスタルジック(モノトーン 調色+3)

露出補正:0EV。ちょい田舎の駅、のどかな雰囲気をだすために少し強めの調色にした。アングルはかなり低めからあおっている。

 

 

露出補正:+0.3EV。曇天で重くなりそうな雰囲気なのでこちらも少し強めの調色のまま。アングルは目線より少し低めの水平、人物のタイミングも意識した。

 

 

まずはトップの写真とは違うノスタルジックな雰囲気を狙ったイメージです。曇天は今回のような色を使った表現でその色がイメージ通りにでやすい特徴があります。曇天でテンションが上がらないときにも調色を試してください。

テーマはのんびり(モノトーン 調色+2)

露出補正:-1.0EV。ちょっと森を感じる道を少年時代の散策を思い出しながら撮影。アングルは腰の高さぐらいで水平。

 

 

露出補正:-0.3EV。大海原につながる世界をイメージしながら撮影。アングルは目線、少し高い場所から水平。

 

 

調色の強さを一段下げると色の印象より被写体のイメージに感情移入しやすくなります。1段変えるだけでも雰囲気はかなり変わるので、その変化を楽しむのも良いですが、テーマを考えて使うと仕上げに振り回されなくなります。

テーマはカッコよさ(モノトーン 調色 +3 / デジタルフィルター:ハイコントラスト レベル2)

露出補正:-0.7EV。晴れた日だったので、光の強さを活かしたカッコよさを求めて調色を+3にして、デジタルフィルター:ハイコントラストを使った。アングルは腰の少し下で水平。

 

 

露出補正:-0.3EV。曇天でもノーマルとは違う雲の表情を捉えることができる。アングルは目線より下から少しあおっている。

 

 

露出補正:-0.7EV。 強い処理だけに頼らずタイミングを狙った。アングルは目線、歩道橋の上から見下げる感じで少し傾けた。

 

 

露出補正:-1.0。アングル選びにこだわった1枚。このレンズの使いこなしはピンポイントのアングル選びにある。高さは腰ぐらいの水平で左右を微調整した。

 

 

露出補正:-1.3。最後は自転車。いつも同じ被写体を狙っていると被写体探しに困ったときに助かる。自転車の先を切っているのは変化を作るチャレンジ。アングルは目線から見下げる感じ。

まとめ

最後はちょっと強い処理でいつものようにカッコ良さに傾きました。デジタルカメラの良さはこんな様々な表現を撮影時に簡単に変えられることです。それでも自分のこだわりを持つことは自分らしさにつながるだけでなく、微調整の方向性を決めやすくなります。露出補正やアングル選びもそんな微調整のうちだと考えています。微妙なアングルの違いが結果に現れやすいレンズでそんなことを合わせて試してください。

次回は、40mm相当の画角の真実 です。