“今日はどんな気分?何を選ぶ?”をテーマに写真とカメラの楽しみ方を広げませんか。
「慌ててはいけない。」そんな言葉を耳元でささやかれているような感覚に陥ることがあります。それは休日の午後、近所を散歩する速度や喫茶店で過ごす時間のような力まない写真に出会ったとき。
今日の一本としてオールドレンズを選ぶ。
私はそんな日を大切にしたいと思っています。
追い求めすぎていた利便性や機能性と距離を置くことになり、一枚、一枚シャッターを切ってフィルムを巻き上げる感覚に近づくことができるから。
当然ながら、ボディの電子制御機器と光学性能を高めたデジタルカメラ専用の高画質・描写力重視のレンズとは異なり、ピントの緩さも、意図せず生まれるフレアやゴーストも写し出されます。
特徴があり、特性があり、クセがある。
なんだかとても人間らしい―
それがオールドレンズ。
思えば、私自身も一眼レフカメラを始めたころはMF&マニュアル露出で撮影をしていたのだから新しいのではなく遡って初心に返るようなもの。
また、ご近所フォトやおうちフォトととても相性が良く、忙しい日常に疲れた時に緩やかな気持ちになれるし、そんな風に写すのが心地よいものです。
だからオールドレンズに相応しい被写体を見つけたくなるし出会いたくなります。
フィルムライクを求めてその味わいを表現方法にしている人も増えています。マウントアダプターによって様々なレンズの持ち味を楽しめるいい時代です。時代というのはあまり好ましい言葉ではないかもしれないけれど、デジタルであることの恩恵を受けられる絶好の機会であることは間違いないはず。
しかも、PENTAXには自分だけの「画」を作るカスタムイメージという機能があり、フィルムのように優しく、強く、深い色合いがオールドレンズの持ち味と感覚的な印象を引き出してくれます。
〝フィルム選びを楽しむように色を選ぶ。〟
この操作ひとつとってもオールドレンズをデジタルカメラで使うことの楽しさを堪能することができるのです。
描画の精細さや緻密さにはない表現として選ぶオールドレンズ
写真を〝一枚〟としてカウントする感覚
ファインダーを覗いて見える視界
じっくりと丁寧に被写体に向き合い慌てないことの大切さ
そして、忘れてはならないワクワクする感覚が呼び起こされます。
「あぁ、こんな風に撮りたかったんだよね。」って。
使用したレンズ: 全て SMC Super-Takumar 55mm F1.8