6月のお題は…『花の表情』

小林義明 師範

花はそれ自体が美しいのできれいな写真を撮らせてくれる被写体だけれど、その魅力を十分に引き出すのは意外と難しい。
花をきれいなだけでなくより魅力的に撮るために、その表情をじっくりと観察していつもと違う表情をみつけてみよう。花を擬人化して考えてみるなど、ちょっと工夫をして見てみるといいよ。

 

小林義明 師範からの6月のお題は『花の表情』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

6月の挑戦者その4:まるちゃんさん

日の出直後 一輪だけ咲いていたポピ- あたりは人通りもなく静か  多少眠たげか

まるちゃん
東京都在住、男性。ペンタックスリコ-ファミリ-クラブ会員歴30年ぐらいになります。PENTAX 645Zとsmc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4で撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

小林義明 師範からの添削コメント

 

朝日に照らされる一輪のポピー、印象的な被写体をみつけたね。作者は眠たげなポピーといっていて、このポピーを擬人化して捉えているのは正解だと思う。私は夕陽を見て黄昏れるポピーのように感じて選んだんだけど、朝日だったんだね。

空には雲もなくギラギラした太陽が昇ってきているようで撮影するには難しい条件だけれど、太陽の形もうまく残してギリギリの露出で撮影できている。
それに暗い背景を選んで、花びらの透明感を表現しているところもいいね。主役が画面から浮き上がってくる。

構図的には背景の左側の建物が低くなるところは見せない方がいいと思う。高さのピークで切った方が、拡がりを感じられるんだ。

あとはもう少ししっかりピントが来ていると良かったね。
明るくていちばん広く見えている花びらのところにしっかり合わせれば、他がボケていてもピントが合っている印象で見せることができるよ。

風で揺れていてピントがずれるかもしれないけれど、このあたりはしっかり確認してシャッターを押したときに花が動いてしまったら、もう一度撮影して確実に残すようにしよう。

6月の挑戦者その5:プリちゃんさん

朝の逆光に木の陰に咲いているレンゲツツジ。雑草に付いた朝露を丸ボケにして撮ってみました。
孤独だけど可憐に力強く咲いている感じがします。

プリちゃん
静岡県在住、男性。愛用のカメラはK-1です。主に風景写真を中心に撮影しています。PENTAX K-1とHD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WRで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

小林義明 師範からの添削コメント

 

背景の玉ボケがきれいな写真だ。とてもいい光で撮影できていて、主役のレンゲツツジがステージでスポットライトを浴びて毅然と立っているように見えるね。被写体を引き立てられるいい光の中で撮影できたのはとてもすばらしいと思う。

露出コントロールもしっかりしていて、まわりが暗いのに合わせてマイナス2という大きな補正もきちんとできている。こうしないと、ツツジが露出オーバーになって色が出てこないよね。

さて、あとは後処理をしているということなので仕上げ方を見ると、シャドー部のつぶし方はちょっとやり過ぎのように感じる。
画面下のあたりは自然な感じも残っているけれど、上の方はかなりベタッとつぶれていてやや不自然な感じもある。このあたりにも画面下のような感じで茂みの雰囲気を残せれば、肉眼で見た印象に近くなり作品のクオリティを上げられると思う。

あとはツツジのところもISO400で撮影した割にはノイズが乗っていて、惜しいと感じる。ノイズがなければ解像感も上がって質感もでてくるよ。

全体的な狙い方や方向性はいいと思うので、より自然な感じになるよう見た印象を素直に再現してみよう。

6月の挑戦者その6:okajiroさん

自宅プランターのヴィオラが風のいたずらで重なり合い、「いつまでも一緒だよ!」と
ささやきあっている様でした。

okajiro
東京都在住、男性。休日に健康管理で散歩とともに季節の草花を撮り続けています。愛機はPENTAX K-1、KPなど目的別で使い分けています。PENTAX K-5 IIとsmc PENTAX-D FA MACRO 50mmF2.8で撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

小林義明 師範からの添削コメント

 

自宅で育てているビオラということで、とてもいい表情を捉えることができているね。二輪のビオラが向かい合っていて、作者の感じた花のささやきも、みんなが共感できるものだと思う。

こういったちょっとした表情に気づくことができるのも、自宅で毎日見ることができるからだね。ひとつの被写体を見続けるのは、とても大切なことだよ。

さて、撮り方としては余分なものを見せず、花の表情をしっかり見せられる構図でいいと思う。若干トリミングしているようだけれど、じっくり撮れる被写体ということを考えると、ノートリミングでしっかり撮るようにしたかったかな。

もう一点はもうすこし被写界深度を深くすると、花の表情がはっきりしてくる。
シベのところにピントを合わせるようにしていると思うけれど、花びらと色が似ていて目立ちにくいので、花全体にピントを合わせるようにしたかった。
左側のビオラの下の花びらにある模様は大きくてかなり目立つので視点を集めてしまう。ここにもピントが合うようにすると花全体が見やすくなるんだ。背景のボケ具合が変わってしまうけれど、F8とか11くらいまで絞るいいかな。

ゆっくり撮れるいい被写体と出会ったら、シャッターを押すと同時に作品を完成させる気持ちで、丁寧に仕上げるようにしてみよう。

師範より6月後半の総評

花は身近な被写体ということもあって撮っている人も多いと思う。
でも、花の写真というと、つい図鑑的になりがちなこともあってこのテーマを作ってみた。

記録としての写真なら花が写っていればそれでいいかもしれないけれど、作品として他の人に共感してもらえるようにするには、作者の感じたことが写真から伝わることが必要だ。

みなさんが花からさまざまな表情を感じられていることが伝わってきたけれど、まだコメントに添えられている言葉が写真から伝わってくるところまではいけていない感じもする。
なかには表情を感じているのではなく、撮影状況を説明しているものもあって、もう一歩踏み込んでテーマを考え被写体を見るようにしてみて欲しい。

この写真を他の人が見たらどう感じるか、客観的に見ることも大切だよ。

記念品のお届けについて

プリちゃんさん、okajiroさんには「免許中伝ミニ木札」、まるちゃんさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

記念品は7月中旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

その他の投稿作品をご紹介

最後に、6月後半のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。

〔クリックで写真が大きくなります〕

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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