こんにちは、朝倉です。
4月に「K-3 Mark IIIと一緒に使いたいレンズ」というタイトルで記事を3つ(第一弾/第二弾/第三弾)書きましたが、今回はその番外編として、K-3 Mark IIIにオールドレンズの組み合わせをご紹介したいと思います。
先日、ジョニーさんが「K-3 Mark IIIでオールドレンズを堪能する」という記事の中で説明してくれていたように、K-3 Mark IIIにはオールドレンズを使う上で便利な機能が追加されています。
今回は「このオールドレンズとの組み合わせがベストです!」ということではなく、K-3 Mark IIIとオールドレンズを一緒に使ってみてはいかが?というオススメのお話です。
さて早速、どんなオールドレンズを組み合わせて使おうかと、自宅のレンズ棚をゴソゴソしたのですが、よく考えると僕が持っているオールドレンズの多くはKマウントになる以前のスクリューマウント「M42」のレンズで、Kマウントのオールドレンズをあまり持っていない(3本だけ)ことに気が付きました。
M42レンズもいろんなメーカーから出ていてオールドレンズを楽しむには最適なのですが、今回は新しくK-3 Mark IIIに搭載された、シャッターボタンを押した後に絞り込んで測光して自動露出で撮影できる「瞬間絞り込み測光」(と勝手に呼んでます)を使いたかったので、Kマウントにすることに決めました。
とはいえ、新しいカメラに今持っているオールドレンズをそのまま使うのもなんなので、心機一転、オールドレンズ探しから始めてみることにしました。
というわけで今回は、「朝倉が実際にオールドレンズを買ってみた」記事です。
今回、オールドレンズ探しにご協力いただいたのは、JR大阪駅の中央改札口から徒歩1分のところにある「八百富写真機店」さん。
僕の住んでいるところから一番近いカメラ屋さんで、PENTAXに合うオールドレンズも豊富にそろっているので、以前からよくお世話になっています。
店内の中古レンズコーナーに行くと、各マウントごとにレンズが並べてあります。
早速、Kマウントコーナーへ。
今回はAPS-CのK-3 Mark IIIに装着して、標準ぐらいから中望遠になるレンズを中心に探そうと思っていたので、気になるレンズをいくつか候補を挙げてセレクト。
気になるレンズはお願いすると、ガラスケースから出してもらえてカウンターで実際に触れます。
せっかくお店に来たので、店長にオールドレンズを選ぶ時のポイントを教えてもらいました。
以下、店長とのやり取りです。(店長:店、朝倉:朝)
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朝:オールドレンズを選ぶとき、見ておいた方が良いポイントとかありますか?
店:オールドレンズのことをよく知ってる人は最初からレンズの中にクモリやゴミがないかとかカビが生えてないかとか確認するんですけど、オールドレンズは基本的に古いレンズなので、中には状態がよくない個体もあるのは事実。ただ、そこにフォーカスしすぎると選択肢を狭くしすぎてしまうので、まずはカメラに装着して、覗いてみて、シャッターを切って、撮れた写真を見てみることが大切。フィルムの時代はそういう確認の仕方ができなかったけど、今はデジタルなので、何回も試せるしその場で確認できるから、まずは試してみること。カビがあったりホコリが見えていても「全然よく写るやん!」というのはよくあること。いろいろ試していく中で、覗いた時の感覚とか、撮った写真の雰囲気を見て決めるのが良いと思いますよ。
朝:なるほど。確かに、自分のカメラに着けて覗いて撮ってみるのが一番良いかも。そうすれば、「このボケ良いな」とか「このぐらいの距離が欲しい」とかで絞り込んでいけそうですね。
店:何本かに絞り込んだら、今度はヘリコイド(ピントリング部分)の調子を回して見てみる。オールドレンズは中のグリスが乾いたり劣化したりして、回す際に引っ掛かりがあったり、回す重さにムラがあったりするものもある。ただ、それだからと言って、写りに支障が出るということは少ないので、気持ち的に許容できるか。人によっては「これぐらい気にならない」という人もいるし、「気になって撮影に集中できない」という人もいるので、そこは人それぞれですね。
朝:なるほどなるほど。他には?
店:あとは絞り環の粘りが無いかの確認はしておいた方が良いですね。絞り環を最小絞りにして、マウント面の内側にある絞りレバーをカチャカチャ動かしてみて、スムーズに動けば大丈夫。動かしたときにゆーっくり戻るようであれば、粘りが出てしまって絞り環を回した時にきちんと正確な絞りにならない可能性があるから要注意です。
朝:確かに、そこも大事ですね。でも、カビとかクモリがあることをチェックするのが一番最初だと思っていたら、そっちの方が大事なんですね。
店:もちろん、カビやクモリとかのチェックも大切ですが、最初に覗いて撮ってみた写真を見てそこまで気にならないのであれば、それよりも操作する時に気持ち良い感触で触れる方が、撮影が楽しいでしょ。オールドレンズは現代のレンズと比べると、絞り開放だとホワッとした甘い描写になるし、逆光に弱いし、ピントもオートじゃないから合わせるの大変だし。でもそういう癖も含めてオールドレンズの楽しさで、それをどう自分の撮影に活かすかが、オールドレンズの醍醐味だと思っています。
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こんな風に話をしながら実物を見てオールドレンズを選ぶことができるのは実店舗の良いところですよね。
お店の方も、その人に合った選び方をフォローしてくれるので、初心者の方でも安心できます。
そして、悩みに悩んで、最終的に選んだレンズが「SMC PENTAX 55mm F1.8」(以下、55/1.8)です。
うーん!かっこいい!
やっぱり見た目って大事です。
最後の最後まで、小型でありながらF1.4という明るさを有している「smc PENTAX-M 50mm F1.4」と悩んだのですが、50mmのレンズはたくさん持っていたのと、この55/1.8の前のシリーズの「TAKUMAR」やこの後のMシリーズでは50mmクラスの標準レンズはフィルター径が49mmだったのに対してこの55/1.8はフィルター径が52mmでかつF1.8と無理なく設計されている(たぶん)こと、あとは気分的なことですがシリーズ名(MシリーズやAシリーズのような)がないPENTAXレンズというのも惹かれた理由の一つです。
後玉に多少クモリがありましたが、それはそれでこの出会ったレンズの個性だと受け入れて、決めました。
個人的に、オールドレンズを選ぶ一番大事な要素、それは、「ビビッと来たかどうか」。なんとなく、最初からこのレンズを選ぶ気がしてました。
さて、レンズは決まったのですが、オールドレンズというものは新品と違い、ケースやフードなどの付属品が揃っていないことも多いです。僕の場合はカメラバッグに直接レンズを入れるのでケースは不要なのですが、フードはやっぱり欲しいので、純正を探してみたのですが、この古いレンズなので55/1.8専用のフードの在庫がありませんでした。
でも、そこは中古レンズを豊富に取り扱っている店の強み、「中古フードコーナー」があります。
このコーナーには、いろんなメーカーの中古フードが揃っていて、その中からこの55/1.8に合うフードを探すことができます。
この中からフィルター径52mmの標準~中望遠用のフードを探してみると、ちょうどレンズにマッチするメーカー名の記載がないフードを見つけたので、一度レンズに着けてみて、ケラレがないか確認、問題なかったのでこれにしました。
やっぱりフードがあると気分が上がります。
というわけで、オールドレンズを新たに購入しました。
やっぱりレンズ買うっていいですね。
写欲が爆上がりです。
レンズを買ったテンションで写真を撮りに行ったのですが、ちょっと長くなったので、今回はここまで。
次回は実際に撮った写真をご紹介したいと思います。
オールドレンズは選ぶところからプロセスを愉しめると思います。
皆さんも是非、オールドレンズ探しをしてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
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