ども、”こっしぃ”です。

今回は前回に引き続き、RAW展開に関わるちょっとした便利(かもしれない)機能についてご紹介します。>>前回から読む

第3回 知ってると ちょっと便利ね RAW展開 (後編)

画像の自由回転

撮影した画像を後で見ると、微妙に水平や垂直がずれて気になることがあります。そのようなときは、[回転/シフト]パネルで、基準線指定による回転を行うと、簡単に修正することが出来ます。

「回転」グループの「適用」をチェックすると基準線指定ボタン(図の丸で囲んだ部分)が押せるようになるので、ボタンを押し込んで基準線指定状態にし、画像上の水平または垂直にしたい線に沿ってマウスをドラッグし基準線を描画します。すると、それに合わせて画像が回転します。

自由回転の基準線描画例(赤丸で囲ったところがドラッグ終点)

基準線描画による自由回転の適用前(左)と適用後(右)の比較(赤線は水平が分かりやすいように引いた補助線)

上の図の例では、自由回転の適用前と適用後の画像を比較すると、適用前は水平線の赤い矢印で示したところが図の補助線から浮いていたのが、適用後は補助線に一致するように(水平に)なっていることが分かります。

新しいタブで表示

あるシーンで複数の画像を撮影した場合、ピントやフレーミングなどを比較して、どの画像をRAW展開するか決めたい、ということがあると思います。また、画像仕上の違いによる効果を見比べたり、あるパラメーターの調整の前と後を比べたり、というように、同じ画像でパラメーター設定を変えたもの同士を比較したい、ということもあると思います。

DCU5では、複数の画像表示ページを開くことにより、画像の比較をすることが出来ます。画像ファイルを選択して[表示]メニュー(またはツールバー)の「画像を新しいタブで表示」を実行するか、Alt(Windows)/option(Mac)キーを押しながら画像リスト上の画像ファイルをクリックすると、新しい画像表示ページ(タブページ)が開いて、指定した画像が表示されます。

Altキーを押しながら二枚目の画像ファイル(ここではIMGP9881.PEF)をクリック

そして、タブをドラッグすることで、画像表示ページを並べて表示することが出来ます。

画像表示ページのタブをドラッグ

さらに、複数の画像表示ページを開いた状態で[表示]メニュー(またはツールバー)の「同期表示」(図の赤丸で囲んだ鎖アイコンのボタン)を有効にすると、全ての画像表示ページの拡大/縮小や表示位置が連動するようになります。

複数のタブページによる画像比較の例

複数のタブページで同じ画像をプレビューすると、それぞれのタブページについて別々にパラメーターを設定することが出来ます。そうすると、パラメーターの違いによる効果が比較出来ます。各コントロールパネルには、アクティブにしたタブページにセットされたパラメーターが表示され、その状態でパラメーターを変更すると、紐付いたタブページに反映されます。そして、最終的に適用したいパラメーターが決まりましたら、そのパラメーターがセットされたタブページを残し、ほかのタブを閉じてください。最後に残ったタブページのパラメーターが、その画像の有効なパラメーターとして保存されます。

トーンカーブの反転初期化

DCU5のトーンカーブには、弄りすぎて訳が分からなくなったときのために、ハンドル(操作点)未設定の状態(右上がりの直線)に戻す初期化ボタンがありますが、これとは別に「反転」初期化ボタンがあります。これは画像を一発でネガポジ反転するための物で、主にネガフィルムを撮影した画像を調整する際に用います。図は反転初期化ボタンを押してトーンカーブが右下がりの直線になっている状態を示しています。

トーンカーブの初期化/反転初期化ボタン

実際にネガフィルムをフィルムデュプリケーターを使用して撮影したデータを調整した例を図に示します。
>>ペンタックス フィルム デュプリケーター の製品ページ

ネガフィルムをを撮影した画像データの調整例

試し刷り

使用しているモニターがしっかりキャリブレーションされていれば、画面上で画像の仕上がりをきちっと確認することが出来ますが、モニター環境が常にいいとは限りませんし、実際に印刷してみないと決められないという方もいらっしゃるかと思います。

DCU5の印刷機能には「試し刷り」というモードがあります。これは、用紙の印刷領域を分割し、画像の一部、または縮小した画像全体を、パラメーターを変化させたものを並べて印刷するもので、パラメーターの効果を印刷結果として確認出来ます。銀塩フィルムの自家現像の経験をお持ちの方には、プリントの試し焼きのデジタル版と言えばおわかり頂けるかと思います。

[ファイル]メニューまたはツールバーから「印刷」を選ぶと、印刷ダイアログが表示されますが、その中の一番右のタブページが「試し刷り」です(Laboratoryモードではデフォルトで選択されます)。まず画像印刷領域をどう分割するかと、分割した領域に画像データをどう割り当てるかを決めます。

  • 領域分割方式:短冊形、矩形(1ヶ所又は3ヶ所)
  • 領域指定方法:元の画像を等分する/画像の一部を繰り返す/画像全体を繰り返す


次に、変動させるパラメーターと振り幅を決めます。画像全体を縮小する場合か、分割方式が矩形の1ヶ所の場合は、パラメーターが二種類選べます。選択出来るパラメーターは、増減感/ホワイトバランス微調整(M-G, A-B)とカスタムイメージの詳細パラメーター(選択されている画像の画像仕上による)です。

分割方法を元の画像の等分で短冊形にし、変動させるパラメーターを増減感にすれば、銀塩写真のプリントの試し焼きに近い感じになりますが、デジタルならではの試し刷りとしては、画像の一部を切り出して比較した方が便利かも知れません。

「画像の一部を繰り返す」設定で増減感パラメーターを振った試し刷りの例

 

前後編にわたって紹介した機能は、どれも一見実装されていることが分かりにくかったり、機能があることが分かっても、使い方が分かりにくかったり、そもそも何のためにある機能なのか分からなかったりすると思われるものです。もしこれらの記事で興味を持たれましたら、是非使ってみてください。

 

第2回、第3回と、RAW展開をする際に知っているとちょっと便利かも知れない機能について紹介しました。次回はDCU5におけるRAW展開のワークフローについてお話しする予定です。