ども、”こっしぃ”です。
第1回の記事では、Digital Camera Utility 5(以下、DCU5)の概要説明と同時に、DCU5におけるRAW展開の基本的な作業手順について紹介しました。今回からしばらくは、DCU5での作業手順を追いながら、各機能についてもう少し細かく見ていきたいと思います。
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第4回 DCU5のワークフロー(1) 撮影画像の転送と画像の選別
撮影した画像ファイルをパソコンに保存する
DCU5で画像処理するには、まずカメラで撮影した画像をパソコンに保存する必要があります。WindowsのExplorerやMacのFinderなどのファイル管理ソフトを使って画像ファイルをコピーする方法が一般的ですが、一部の画像ソフトの自動取り込み機能で保存すると、画像ファイルの構造が改変を受けて、DCU5で処理できないファイルになってしまう場合があるので、注意が必要です。
DCU5には、Browserモードとして簡単な画像ファイル管理機能が備わっています。DCU5内部の機能を使って、カードリーダーに挿入したSDカードや、パソコンに接続したカメラ(USB接続設定はMSC)内のカードから画像ファイルを取り込むには、以下の二通りの方法があります。
A. ナビゲーションパネルとカレントフォルダー画像リストを使用する
B. 簡単画像取り込み機能を使う
A.ナビゲーションパネルとカレントフォルダー画像リストを使用する
ナビゲーションパネルにおけるフォルダーツリー上で、カードリーダーやカメラに挿入されたSDカードのツリーを展開し、その下のDCIMフォルダーを開くと、画像ファイルが保存されているフォルダーが表示されますので、その中の一つを選択してください。選択したフォルダー内の画像ファイルが、カレントフォルダー画像リストに表示されます。
そこで[編集]メニューの「別のフォルダーにコピー」を実行すると、フォルダーツリー上で選択したフォルダーや、画像リスト上で選択した画像ファイルを、任意に指定するフォルダーにコピーすることが出来ます。同じく、「別のフォルダーに移動」を選択して元のフォルダーに残さないことも出来ます。
「別のフォルダーにコピー」または「別のフォルダーに移動」を使わずとも、フォルダーツリー上またはカレントフォルダー画像リスト上で転送元のフォルダーやファイルを選択して[編集]-「コピー」または「切り取り」を実行し、フォルダーツリー上で転送先フォルダーを選択して「貼り付け」を行うことでも、コピーまたは移動が可能です。ただし、フォルダーツリー上のフォルダーのドラッグによる移動には対応していません(Ver.5.8.6現在)。
B.簡単画像取り込み機能を使う
[ツール]メニューまたはツールバーにある「簡単画像取り込み」を使うと、パソコンに接続されたカードリーダーやカメラに挿入されたSDカード内の画像フォルダーを自動的に検出してコピーすることが出来ます。
「簡単画像取り込み」を実行すると、SDカード内のDCF(Design rule for Camera File system)規定準拠の画像フォルダーを検索します。画像フォルダーが見つかると、フォルダーが見つかったドライブが簡単画像取り込みダイアログ上に表示されますので、転送したい画像のあるドライブを選択し「次へ」を押します。次の画面では、選択したドライブにある画像フォルダーの一覧が表示されますので、転送したい画像が入っているフォルダーにチェックを入れて「次へ」を押します(転送はフォルダー単位で行います)。すると転送先フォルダー指定画面になりますので、フォルダーツリー上で転送先に指定したいフォルダーを選択して「転送開始」を押すと、前の画面で指定した転送元フォルダーの画像ファイルがすべてコピーされます。
処理したい画像ファイルを選択する
撮影した画像ファイルが無事パソコンに保存できたら、次は処理したい画像ファイルを選択しなくてはいけません。ちなみにここでいう処理とは、Laboratoryモードでのパラメーター調整および処理画像の保存だけでなく、Browserモードでのトリミング・リサイズ・既定パラメーターでのRAW展開保存等を含みます。
A. カレントフォルダー画像リストでの画像選択
一番基本的な画像ファイル選択方法は、カレントフォルダー画像リスト上で画像ファイルを選択することです。処理したい画像のあるフォルダーをナビゲーションパネルで選択するか、ツールバーのアドレス欄にパスを入力してEnterキーを押すかして、目的のフォルダーの内容をカレントフォルダー画像リストに表示させます。どれか一枚の画像ファイルをマウスでクリックすれば、その一枚を選択したことになりますが、以下の方法で複数枚の画像ファイルを選択することも出来ます(括弧内はMacでのキー名称)。
・Shiftキーを押しながらマウスを左クリック
その前にクリックした画像ファイルから新しくクリックした画像ファイルまでを連続選択
・Ctrl(command)キーを押しながらマウスを左クリック
すでに選択されているものに加えて、クリックした画像ファイルのみを追加選択
・サムネイルの枠外を起点にしてマウスをドラッグ
ドラッグで描画された点線の枠にかかった画像ファイルすべてを選択
選択されている画像のサムネイルには青い枠が表示され、その状態で実行したメニュー項目は基本的にその時選択されているファイルに対して適用されます。
B. チェックマークによる選別
複数画像を選択したい場合、前記の方法では画像の詳細を確認しながら選択するという点では、サムネイルを一番大きく表示しても難があると言えます。画像を一枚ずつ拡大表示して確認しながら選択したいという場合は、チェックマークを使うと便利です。
ファイルを選択して[編集]メニューやコンテキストメニューから「チェックマーク」-「チェックマーク1」ないし「チェックマーク3」を選ぶと、赤、緑、青の3種類のチェックマークをつけて分類することが出来ます。これらのチェックマークは、サムネイル表示の場合はサムネイルの右下(図7の赤い円内)に、詳細表示の場合は各ファイル行の左端に表示されているチェックボックスに表示されますが、それらのチェックボックスをクリックすることで、なし→赤→緑→青→無し、の順でトグル切り替えすることも出来ます。
それぞれのチェックを入れた画像ファイルは、ナビゲーションパネルのチェック画像リスト(図8)に登録されます。チェック画像リストには、チェックされた画像ファイルがカレントフォルダー画像リストと同様のサムネイル表示(図8の上)または詳細表示(同下)でリストアップされます。画像ファイルがどこのフォルダーにあっても、チェックマークの色は共通ですので、チェックマークを使うと複数のフォルダーにまたがってファイル選択を行うことが出来ます。複数のフォルダーで画像ファイルに同じ色のチェックを入れると、その色のチェック画像リストには、サムネイル表示の場合はサムネイル枠の色分けで、詳細表示の場合はパス表示行で、同じチェックマークの中での画像ファイル格納フォルダーの違いを区別することが出来ます。ちなみに、サムネイル枠の色分けはオプションの[基本設定]タブにある「チェック画像のサムネイル枠」で変更可能です。
空でないチェック画像リストをアクティブにしてLaboratoryモードに移行すると、そのチェック画像リストに登録された画像ファイルがLaboratoryモードにおける編集候補画像リストに登録されます(ただし、オプションの[ファイル管理]タブにある「編集候補画像の指定方法」で「選択した画像ファイルのみ」となっている場合に、チェック画像リスト上で一つ以上の画像を選択している場合は選択中の画像ファイルのみになります)。また、チェック画像リストに登録された画像を全選択して、「別のフォルダーにコピー」などのファイル管理を行ったり、「画像サイズ変更」などの処理を行ったりすることも出来ます。
レーティング
もう一つの画像選択(選別)方法としては、レーティングがあります(図9)。チェックマークはDCU5内部で情報保持する選別機能なのですが、これは画像ファイル自体にレーティング情報を付加(PEFファイルのみ、オプションの設定によりレーティング情報を別ファイルに保存することが可能)することで選別を行う機能です。いくつかの画像ファイルにレーティングを付与した後、「並べ替え」でレーティング順にすると、同じレーティングの画像が並ぶので、レーティングをキーにして画像を選択することが可能です。
レーティングを付与したいファイルを選択して[編集]メニューやコンテキストメニュー(図10)から「レーティング」-「★」ないし「★★★★★」および「除外」のうちのどれかを選ぶと、選択したレーティング情報が付き、サムネイル枠のレーティングアイコン(図9の上の図で赤い○で囲んだ部分)が変わりますが、レーティングアイコンをクリックすることによってトグルでレーティングを変えることも出来ます。
前述の通り、レーティングはチェックマークと違って、オプションで前記の設定をした場合のPEFファイルを除き、ファイル自体に情報が付与されますので、レーティングを変更した時点で即時にそのファイル自体が編集されることに注意してください。その代わり、レーティング情報はいろいろな画像管理ソフトで採用されている汎用的な情報を使用しているので、DCU5でつけたレーティングもそのまま別のソフトウェアでも確認することが出来ます(図9の下の図で青い枠で囲んだ部分)。
画像ファイルの情報を整理する
PENTAXの画像ファイルには撮影時の露出パラメーターや画質パラメーターなどいろいろな情報が保存されており、DCU5ではその多くの情報が画像をプレビューした際に撮影情報表示欄に表示されますが、複数の画像の情報を同時に見ることは出来ません。また、パソコンへ転送したり選別したりした画像の情報を、保存フォルダーごと、または同じチェックマークをつけた画像ごとに、まとめて保存したいという場合もあると思います。DCU5では、複数の画像の撮影情報をまとめてテキストファイルに書き出す機能があります。
画像が保存されているフォルダーを開いてカレントフォルダー画像リストをアクティブにするか、一枚以上の画像にチェックを入れた際のチェック画像リストをアクティブにした状態で、[ツール]メニューまたはコンテキストメニューの「撮影情報一覧保存」を選択するか、ツールバーの「撮影情報一覧保存」ボタンを押下するかして、表示された撮影情報一覧保存ダイアログで保存先を指定する(図11)と、アクティブな画像リストに表示されたすべての画像の撮影情報をCSV (Comma-Separated Values: カンマ区切り値)形式のテキストファイルに保存することが出来ます(一部の画像が選択されている場合は、選択されている画像の情報のみが保存されます)。ちなみに、撮影情報表示欄ではレンズ名が短縮表示されますが、撮影情報一覧保存で保存したCSVファイルにはフルネームで記載されます。
複数のフォルダーに保存された画像がチェックされているときのチェック画像リストで「撮影情報一覧保存」を実行すると、保存フォルダーごとに保存パス名行が挿入されます。図12の右の図では、撮影情報一覧のパス名行がわかりやすいように入れた矢印の色が、左の図のチェック画像リストのサムネイル枠の色に対応しています。
なお、図12に示した撮影情報一覧ファイルの例ですが、説明用に一部の情報が見やすいように列幅を調整したり、一部の列を非表示にしたりしてありますが、元々は情報をカンマで区切っただけのテキストファイルですので、列幅の情報はありません。お使いの表計算ソフトで、適宜情報を取捨選択するなり、列幅を調整するなりしていただくと、より便利にご使用いただける機能かと思います。
今回は、DCU5のファイル管理機能に焦点を当ててみました。普段DCU5をあまりファイル管理には使っていないという方でも、今回紹介した機能の中に、もしかしたらお役に立つものもあるかもしれませんので、一度お試しいただければと思います。
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