カメラを持って出掛けると、なんでもない日常が、光の輪郭をもって浮かび上がる。

さぁ、今日もカメラを持って出掛けよう。

第2回 「今日の獲物」

いい写真が撮れた時、ニヤニヤしますよね?

休日、カメラを持って撮影に出掛ける。どこに出掛けるか、カメラは何にしようかと考えてワクワクする。この感じって、何かに似ている様な気がして考えていたら…そうか、なんだかちょっと、釣りに出掛ける事に似てるんですね。

 

出発前に釣れる場所の確認をしたり、道具を用意したりして、ワクワクする。そして、現場に到着したら、うまく釣り上げる事に集中して、日頃の嫌な事も忘れる。やっぱり、似てますよね。

例えば今日の撮影場所は、仕事場のある街。見慣れた風景だけど、カメラを持って出掛ければ、きっと良い獲物(写真)に出会えるはず。日常の延長線にある風景だけど、その日の自分にしか撮れないものがあります。

 

普段ただ通勤で通り過ぎる時には気付かなかった建物や植木、それらを照らす平日ではない日曜日の優しい光。それに気付いたら、素早くファインダーをのぞき、構図を決めてそっとシャッターを押す。釣れた!最高の瞬間を捉えた!この手応え、最高ですよね。

 

獲物をラボでプリントしたり、自宅のPCで確認してみたら、あれま!ピントがずれてる…ボケてる…。露出を間違えてる…。そんな風に、がっかりする事、ありますよね?凄い大物だったのに!それは、もう逃がした魚は大きかった状態。そんな事にならないためにも、デジタルカメラの場合は、モニターで再生する際には、かならずズームして拡大して細部を確認してください。フィルムカメラの場合には、段階露光したり、ピント位置を再度確認してください。

 

とは言え、魚ではないので、本当に逃げるわけではなく、失敗写真もじっくり見てみれば、それはそれで結構良い写真に見えてきたりして。写真っていいな。

 

釣った魚は美味しくいただきましょう。良い写真は人に見せびらかしましょう(笑)。

ブログやSNSで発表していいですし、写真展にチャレンジしてみるのもオススメです。最近はアマチュアの方が気軽に展示出来るギャラリーやカフェ等のスペースも増えています。

 

写真展の会場では撮影時の話を直に伝えられますし、見た人の反応もリアルに感じる事が出来ます。あなたの写真が人を笑顔にしたり、幸せにする事だってあるかもしれません。ぜひ発表してみてください。

 

 

林 和美さんの『カメラは感動増幅機』のその他の記事はこちら

第1回「さて何を撮ろう?」

第3回「残したいもの」

第4回「切取りの美学」

第5回「旅写真のコツ?」