撮影した写真を確認するのはパソコンのモニターでの拡大。当たり前のことのようですが、これはデータの確認のような気がします。 最近はタブレットというのもあるかもしれません。どちらにしても拡大した細かい部分の確認が多くなります。

確かにそれも大切なことですが、細かい確認には時間がかかります。試しにA4サイズの用紙にプリントしてみましょう。

A4になるとピントやブレの有無、構図のバランスはひと目でわかります。2Lまでのサイズのプリントではピントやブレの有無は分かりづらく、そのサイズでは写真がまとまっているように見えることがあります。

ちなみにプリンターやソフトでの自動調整機能は使わないでプリントするのがこの話では重要です。自分が撮ったものを素の状態で確認することが、自分の今の状態を知るのために必要だからです。

言葉だけでは実感が湧かないし、ネット上でプリントの話もアレですが、もう少しお付き合いください(笑)

2LとA4のサイズ比較

左:2L 右:A4

まずは2LとA4の用紙全面にプリントしたものでそのサイズを比較しましょう。A4は2Lのほぼ4倍の面積があります。これだけ大きくなるので、ピントやブレの有無、全体のバランスがわかりやくすなります。

特に微妙なブレは2Lのプリントではほとんど判断がつかないと思います。構図のバランスもこの写真ではA4の方が上下の黒い窓枠が太く感じます。そんな感じ方の違いで写真の印象も変わります。

この構図のバランスで気になるのは、上のように用紙全面にプリントする場合です。インクジェット用の写真用紙と写真のオリジナルでは画面の比率が違うので用紙全面にプリントするとトリミングされた状態になります。

枠付きプリント

左:用紙全面 右:枠付き

右の枠を付けてプリントした写真では画面左の隙間が少し増えています。小さな隙間ですが、この隙間があるとないとでは写真から受ける印象は変わります。

問題なのは枠をつけると写真のサイズが小さくなることです。確認の話も用紙が大きくなって写真も大きくなるのでわかりやすくなります。こんなことからもA4サイズにプリントするのがオススメなのです。

枠のサイズ

左:枠、少なめ 右:枠、多め

枠を多めにするとおしゃれに見える効果があります。写真の内容を確認するだけであれば、枠は少なめが良いと思いますが、自分の作品をファイルにまとめるときは、枠を多めにしておしゃれに見せてください。

ファイリングするときに枠の幅を統一すると、さらにカッコ良くなるので、作品の内容に応じて枠の幅を変えるより統一するのがオススメです。

ちなみに写真を額に入れて飾る場合はオーバーマットを使うと写真がさらに引き立ちます。その場合は枠の幅は額の大きさとマットの切り方で調整できます。

用紙の違い

最後にどんな用紙を選ぶかという問題が残ります。今回は光沢・絹目・マット(アート紙)の3つでその違いとオススメを紹介します。

参考までに今回使った用紙は、超光沢はクリスピア、絹目は FURBO PQ シルキー、マットは Velvet Fine Art Paper です。手持ちの光沢紙はクリスピアだけでした(笑)

上の写真はかなり斜めの条件から用紙の表面の反射がわかるように撮影しています。当然、超光沢、絹目、マットの順で反射は少なくなります。

 

次の写真はもう少し実際の鑑賞角度に近い状態です。表面の反射は抑えられていますが、その印象は基本的には上の写真と同じです。

この写真では分かりづらいですが、表面の反射の話とは逆にピント位置のシャープさやカラーでの鮮やかさは、超光沢が一番わかりやすく絹目、マットの順になります。

もう1つ大切な階調は反射が少ない方がわかりやすくなります。

モノクロ写真の場合は階調性も大切な要素なので、絹目を選ぶのがオススメです。私はここで使った絹目の用紙を基準紙といって、最初に確認するために使っています。

基準紙の話はそれだけで長くなるので、次回詳しくお話しします。

プリンターの話

今回使ったプリンターはエプソンのEP-10VAです。このプリンターは染料インクのA3用紙まで印刷可能な複合機です。グレーインクが搭載されているので、グレーバランスが優れていてモノクロプリントでも色転びが少ない特徴があります。

写真をプリントするプリンターで大切なのはグレーインクです。グレーインクがあるとグレーバランスが良く、モノクロプリントでは中間のトーンが薄いピンクや薄いグリーンになる色転びが抑えられます。

このグレーバランスはカラーのプリントでも大切な要素で、それが良い方が繊細に再現されます。

ちなみにちょっと情けない話ですが、メインで使っている顔料インクのプリンターがこの記事を書いている時は故障中だったためにサブのEP-10VAを使いました(笑)

私はプリンターは消耗品と考えていますが、プリンターは使えば使うほど良い状態を保つことができます。そのトラブルで一番多いインク詰まりも使わない時間が長ければ起きやすくなります。

メインプリンターも5年間トラブルなしで今回初めてトラブルになりました。まぁ、よく使っているので、このタイミングでのトラブルは修理より交換を考えます。

 

次回は、基準紙の話!です。

 

『ケイタのやってみようシリーズ』のその他の記事はこちら

第5回 デジタルフィルターを 使ってみよう!

第4回 絞りを固定しよう!

第3回 露出補正を固定してみよう!

第2回 モノトーンの設定で撮ってみよう!

第1回 プロフェッショナルモードで撮ってみよう!