デジタルフィルターは邪道?ペンタックスユーザーの皆さんならそんな野暮なことは言わないですよね。そもそも、この機能を初めてデジタルカメラに入れたのはペンタックスです(笑)
デジタルフィルターとはカメラ内でデジタル的な効果を加える機能で現在は最大で21種類あります。その中で撮影時に使えるのは9種類です。
撮影時に使えるデジタルフィルターで、モノクロに向いているとケイタが考えるのはハードモノクロームです。このフィルターを使うと最初の写真のようにコントラストがかなり強くなります。暗部(シャドー)が潰れたような感じになっていますが、これはわざとです。
ここまでアンダーにしないとハイライトが飛んでせっかくの強さが半減します。と、いきなり突っ込んだ話ばかりになってしまったので、もう少し話を戻しましょう。
左:モノトーン / 右:モノトーン+ハードモノクローム
左のモノトーンもかなりアンダーですが、これは-1.3EVで撮影しているからです。これは前回の露出補正を-1.0EVで固定しようと同じように光の印象を際立たせるためです。
右は同じ露出のままハードモノクロームにしています。シャドーはさらに暗くなってほとんど潰れかかっていますが、ハイライトはコントラストが上がって、輝いた印象が強くなっています。このハイライト部分を飛ばさないために、シャドーが少し潰れたようになる露出にします。
上の写真のようにハイライトが画面の周辺にくるとせっかくの強さが目立たなくなるります。画角が広いと被写体のハイライトとシャドーの分量をまとめずらい場合もあるので、中望遠レンズで始めるのがオススメです。
今回の写真は全て、HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limitedです。
HD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited
このレンズについて少し解説すると、絞り解放では柔らかめの描写で周辺減光があるのが特徴です。
その個性を少し弱めるために、絞り優先の F4 で撮影しています。この程度絞るとピント位置のシャープな印象が増すので、今回のような強い表現にあっています。それほど絞り込んでいないので、被写体間の距離に差があれば程よいボケができます。
上の写真のピント位置は自転車です。距離のある背景と手前は少しボケているので立体感を感じやすくなります。
画面の半分が黒く潰れていますが、デジタルフィルターを使うときはこんな大胆さも試してください。
この設定は曇天でも効果を発揮します。曇天のモノクロはコントラストが弱く力強さをだしずらいですが、ハードモノクロームを使うと上のような不思議な表現ができます。
これは曇天の少し薄い雲の後ろに太陽がある条件です。
デジタルフィルターを重ねる
さらにもう少し遊び心を出してデジタルフィルターを重ねましょう。
重ねるのにオススメのデジタルフィルターはソフトです。
ソフトについて少し解説するとレンズの前につける光学のソフトフィルターのように光をにじませた効果がでるデジタルフィルターです。このデジタルフィルターはカメラ内処理で使います。
左:ハードモノトーン / 右:ハードモノトーン+ソフト
右はソフトをかけた状態です。ハイライトがにじんで、シャドーは少し明るくなり、全体的に優しい雰囲気があります。
ソフトにはさらにシャドーぼかしという機能があります。これはフィルム時代、暗室の引き伸ばしの時に光学のソフトフィルターを使った表現をデジタルで再現したもので、シャドーがにじみます。
左:ハードモノクローム+ソフト / 右:ハードモノトーン+ソフト(シャドーぼかし)
右のシャドーぼかしのほうがシャドーに締まりを感じるのでハードモノクロームとの相性は良いと思います。実はデジタルフィルターの重ねはさらに重ねることもできます。あまりやりすぎると目的がわかりづらくなるのでほどほどがオススメです。
デジタルフィルターを重ねられるのはJPEGです。RAWしか撮影していない場合は、カメラ内現像でJPEGにしてください。
上の写真はハードモノクローム+ソフト(シャドーぼかし)です。
シャドーばかしの柔らかさは背景のボケとも相性がよく、強さと柔らかさという相反する表現を同時に楽しむことができます。
デジタルフィルターも画像処理ソフトで再現できます。画像処理ソフトを自由自在に使いこなすためにはある程度スキルが必要ですが、デジタルフィルターは手軽にデジタル的な効果を使える機能です。
大切なのはやりすぎないことです。強い効果がつくと楽しくてついついやりすぎることがあるのでほどほどで使ってください。
次回は、A4サイズにプリントしてみよう!です。
『ケイタのやってみようシリーズ』のその他の記事はこちら