カメラを持って出掛けると、なんでもない日常が、光の輪郭をもって浮かび上がる。

第9回「ギャラリーってどんなとこ?」

ギャラリーに行った事がありますか?

実は私、自分がギャラリーを始めるまで行った事ありませんでした…。美術館や百貨店で開催される写真展には行った事がありましたが(それも写真学校で課題が出たから仕方なく行っただけ…)、ギャラリーと言われる所には一度も行った事がなかったのです。だって、なんだか、写真買わされそうでしょ?

 

 

ギャラリーの種類は、大きく分類すると以下の4つとなります。

・コマーシャルギャラリー
・レンタルギャラリー
・メーカーギャラリー
・お店併設のギャラリー

コマーシャルギャラリー(企画画廊)は、作家と契約して作品を販売する事で収益を上げています。ゆえに誰もが展示出来るわけではなく、すでに知名度がある作家やこれから独自に売り出していきたい作家等、ギャラリーが収益に繋がると判断した作品を展示しています。

レンタルギャラリーは、場所貸しで収益をあげています。基本的に場所代さえ払えば、誰でも借りて展示する事が出来ます。ただし、ギャラリーにもそれぞれ独自のカラーがあり、どんな作品でもオッケーというわけではありません。

メーカーギャラリーは、リコーイメージングスクエアやニコンサロン、キヤノンギャラリー等、カメラメーカーが写真文化の発展のために、作家やユーザーを中心とした作品を展示しています。一般のアマチュアユーザーで展示希望者は審査等に応募して認められれば、展示する事が出来ます。

お店併設のギャラリーは、カメラ・写真屋さん、本屋さん、カフェ等お店の壁面を展示スペースとして貸し出しています。既存のお客様にいろんな写真を見てもらえ、展示を見に来られる新しいお客さんを獲得する事で本業の収益に繋げています。レンタル料は、有料なお店と無料なお店があります。

 

 

ギャラリーにも行った事がなかった私がなぜギャラリーを始めたかというと、そのきっかけは路上にありました。

それまで、写真家になるためにはコンペに応募して認められるくらいしか思いつかなかった私が、ある時、友達と路上で写真を見せようという事になりました。路上に写真を並べて、好きな写真があったらどうぞお持ち帰り下さいというスタイルでした。

やってみると面白いもので、見た人の感想が直接聞けるし、どんな写真が持って帰ってもらえるかがわかるようになりました。さらには、お金を払ってくれる人や、写真を持って帰った後にもう一度来てコーヒーを差し入れてくれる人が居たりしました。そっか、写真で人と繋がるってこんなに楽しいんだ!と思いました。これが私のギャラリー人生の始まりです。

 

 

ギャラリーは、だいたいどこも入場無料です。カフェに通うように、気軽に何度も訪れてみてください。ギャラリーのスタッフさんや、常連さん達とカメラや写真の話をするのはとても楽しい時間です。お気に入りの作家を見つけたり、情報交換してください。そしてぜひ作品を展示してみてください。WEBサイト、SNS等でも気軽に作品を発表出来ますが、同じ空間で時間を共有するのはとても大切です。自分の作品を見た人から直接感想を聞くことは、何より自分の作品を次のステージに導いてくれます。

 

 

最後に、冒頭に書いた「作品を売りつけられる」写真ギャラリーは、私の知る限りありません。どうぞご安心を。それでもやっぱり怖いよという方は、私が主宰するギャラリー、ナダールへお越し下さい。「PENTAX officialのサイトで見ました!」と言って頂ければ、さらに大歓迎でお迎えいたします!(今はこういう時世で営業を見合わせてますので、気長にお待ちしています)

・Nadar(ナダール)
〒107-0062東京都港区南青山3-8-5 M385 BLDG #12
tel/fax:03-3405-0436
12:00-19:00 (展示最終日-16:00)月曜・火曜休廊
https://g-nadar.net/

 

・全国写真展情報:
>>CAPA CAMERA WEB

 

林 和美さんの『カメラは感動増幅機』のその他の記事はこちら

第1回「さて何を撮ろう?」

第2回 「今日の獲物」

第3回「残したいもの」

第4回「切取りの美学」

第5回「旅写真のコツ?」

第6回「雨の日は、」

第7回「写真を学ぶ」

第8回「写真の意味?」