7月のお題は…『夏を感じる風景』

小林義明 師範

季節感を表現する場合、秋から春にかけては表現しやすいが、夏というのは意外と難しいように感じている。ここ数年の異常な暑さからつい外出しないということもあるのかもしれないが、自然のなかでは特徴的なものが少ないからだろうか。7月はちょっと難易度の高いお題を出してみようと思う。夏らしい暑さやギラギラと照りつける太陽の日射しなどを写真で表現してみて欲しい。

 

小林義明 師範からの7月のお題は『夏を感じる風景』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

>>小林 義明 風景・ネイチャー道場『7月前半分の結果』はこちら

7月の挑戦者その4:ichiさん

なかなか夏が来ないので、夏が来る気配を感じる晴れた日の写真になってしまいました。

ichi
東京都在住、男性。経験2年程度の初心者です。35mmマクロ入手で写真がより面白く感じています。PENTAX  K-70 とHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedで撮影。

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

小林義明 師範からの添削コメント

 

青空を背景に咲いているタチアオイ。順光気味の光を選んで色をきれいに再現できているので、赤が映えて夏らしい花の雰囲気が出ているね。

のシーンは周りにもたくさんの花が咲いているように見えるので、この一輪に限らず他の花も見せるようにした方が、咲いている状況が伝わるようにも思うのだけれど、どうだろうか。

し、一輪だけを見せるのだとしたら、もう少し花の周りを整理して見せるようにしたいところだ。たとえば画面右には空の中に茎が伸びているのでちょっと目立つように思うし、メインの花には中央の上にある葉の影が落ちてしまっている。こういったものが画面に入らない花を選ぶと、もっと花を引き立てることができる。

具体的には、先端付近にある花を選ぶと余分なものが写り込みにくいんだ。そのなかで咲き具合や光の当たり方がいいものを選ぶようにする。

レンズが35mmマクロということで、けっこう花に近づかないといけないという制約があるために撮ることができた花がこれになってしまったのかもしれないけれど、撮りたいイメージを実現するためにレンズを選ぶのが正解であって、レンズに縛られないようにはしたいところ。タチアオイ自体は大きな花なので、標準ズームなどでも撮ることはできるよね。

逆にレンズを限定するときは、レンズに合った被写体をみつけるようにしないと中途半端になってしまうので、意図に合わないときは諦めて他の被写体を探してみることも大切だよ。

7月の挑戦者その5:きよどんさん

元気なヒマワリを写したく、夕焼けの物悲しさと対比させるために
敢えてハーフNDでなくストロボ3台で浮き上がらせてみました。

きよどん
岡山県在住、男性。ME-SuperからのPENTAX使いですPENTAX K-3とsmc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WRで撮影。

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

小林義明 師範からの添削コメント

 

ヒマワリ畑と夕焼け、日中の暑さも一段落してちょっとホッとするような空気感がいいね。
このような輝度差があるシーンはどうしても肉眼で見ているようには写らないので、露出を夕焼けに合わせヒマワリ畑はフラッシュを使ってのライティングなど、どうやったらイメージしたシーンを写真で再現できるかを考えて撮影している。最近流行のNDフィルターではなくフラッシュを使ったのは、ヒマワリの黄色を鮮やかに見せるために正しい選択だね。
コメントを読むと、フラッシュを3台も使っているそうで、頑張った!!

でも、今回は免許中伝

惜しかったのは技術的なことではなく、ヒマワリ畑の花の密度だ。この写真を見ると、画面下の方は花が少なくてちょっと寂しい感じだし、茎の部分もけっこう見えている。このあたりまでヒマワリがびっしりと咲いているような感じに撮影できればいっそう迫力も増し、ヒマワリの力強さが出てくると思う。

しかすると、いつもならもっとたくさん咲いているのに、今年はコロナ禍のことなどもあり、あまり花の咲き具合が良くなかったのかな。天候も不順ななかでベストの撮影ができているのだと思う。

でも、人を感動させられる写真として、より魅力的な内容となるように高みをめざしていこう!来年にはもっとイメージに近い写真が撮れることを期待している。

 

7月の挑戦者その6:くらうちさん

タイトルは「離陸後・・・」です。
葉の裏で雨や天敵を避けて、無事羽化した蝉たち。
ひと夏の短い命を精一杯燃やし尽くすべく、大空へ飛び立って行ったのでしょう。
地上に残された「土の中の記憶」と「青空の中の未来」を対比させました。

くらうち
神奈川県在住、男性。はじめまして。4年前に勤め先の広報部門に配属となり、一眼レフを触るようになりました。2年前に「自分のカメラが欲しい」と思い立ち、某大手家電量販店で、さまざまなメーカー、機種を触ってみたところ、KPの写り、スペックに惹かれ購入。晴れてペンタキシアンとなりました。屋内外、静体動体、人間動物関係なく、ビビッときたものを撮ってます。PENTAX KPとHD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REで撮影。

師範の判定結果は・・・

残念ながら…

小林義明 師範からの添削コメント

 

セミの抜け殻も季節の移り変わりを感じられるいい被写体だよね。セミの抜け殻にいろいろな思いを込めて撮影しているのもいいと思う。あとはそれをどうやって写真を見る人に伝えるかということだよね。

狙いはしっかりしていていいのだけれど、カメラを使い始めて間もないということなので、あとは基本的な撮影技術を身につけていけばいいと思う。

この写真ではまずピント位置を見直してみよう。いちばん目立つのは画面中央にあるセミの抜け殻なのだけれど、ピントが合っているのはその右にある2つ抜け殻が並んでいるところ。写真をスマホの画面などで小さく見ているときにはいいのだけれど、ちょっと大きくすると違和感を感じる。

望遠レンズで撮影しているために、自分の体がちょっと動くだけでもピンぼけになりやすいので、しっかりカメラをホールディングして撮影すると同時に、撮影後は意図したところにきちんとピントが合っているか確認しておきたいところ。

もう一点は、青空の色を基準に露出を決めていたのかな。ややセミの抜け殻が暗くて目立ちにくい感じだね。はじめにもう少し明るく撮影しておくと良かったように思う。

カメラ内RAW現像で調整をしているようだけれど、全体に暗い印象に見えてしまう。コントラストを落として少し明るくするとセミの抜け殻が目立つようになるのでやってみて欲しい。

ただ、明るくすると画面下の雲の部分が目立つようになると思うので、撮影時にカメラアングルを少し低くして青空の面積を増やしておくとよりイメージに近い感じにできただろうか。

このセミの抜け殻にスポットライト状の木漏れ日でも当たってくれれば、もっとドラマチックに見せられるかな。このときは無理だったかもしれないけれど、全くない撮影条件ではないので、そんなこともイメージしながらまたセミの抜け殻を探してみて欲しい。

 

師範より7月の総評

長梅雨のおかげで夏らしい天気がなかったせいか、ちょっと応募数が少なくなってしまって、お題を間違えたかなぁと反省。ただでさえコロナで外出しにくいなか頑張って応募してくれたみなさんには感謝している。

だ、雨が降っていたとしても何かしら夏を感じられる被写体は見つかると思うので、思い切ってカメラを持って身近なところを歩いてみるのもいいと思うよ。身近なところを日々みつめることで季節の移り変わりや意外な被写体との出会いがあると思う。それに晴れていなくても、水滴のついている景色ってきれいなので、撮り始めたらはまるんじゃないかな。

ろいろなところに心のアンテナを張り巡らせて景色との出会いを楽しんでみよう。

 

記念品のお届けについて

きよどんさんには「免許中伝ミニ木札」、ichiさん、くらうちさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

記念品は9月上旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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