こんにちは、ジョニーです。
2019年9月21日に公開した前回記事で、カメラの便利な機能を制限した撮影会のお話を、私が撮影した画像と共にお伝えしてきました。
今回は同行した社員E氏、Yuzu氏から、それぞれが撮影した画像を紹介してもらおうと思います。
>>前回の記事はこちら

K-3 + smc PENTAX-M 1:2 35mm(社員E氏)

社員E氏の全撮影画像(43枚)

社員Eです。

普段写真を撮るときの設定はPモードのスポットAFで、ピントをど真ん中に合わせて、カメラを動かして構図を決めて、シャッターボタンを押すだけ。
つまり、何も考えていないのですが、今回の撮影会は露出もフォーカスもマニュアルで撮るということで、普段やらないことをあえてやってみるのも何か面白い発見があるかなと思い、参加することにしました。

フィルムで撮る感覚を意識してみようという意図もあったので、3つの設定をUSER1~USER3に用意。
それぞれ撮影できるのは12枚まで。

USER1:カメラのデフォルト設定
USER2:デジタルフィルターのトイカメラ
USER3:クロスプロセス

デジタルフィルターもクロスプロセスもRAW現像では使ったことがあるけれど、撮影で使う勇気はなかったので、今回はイイ機会です。

加えて、クイックビューや再生モードで撮った写真を見てはいけないという制約もあり、今までやったことがない撮影方法や設定でどんな写真が撮れるのか、楽しみにしていました。

USER1

まずはUSER1、カメラのデフォルト設定。
一番最初に撮った写真です。
露出を合わせるのに力を使い果たして、ピントを合わせるのを忘れていたのですが、結果はどことなく昭和っぽい感じがして割と好きな一枚になりました。

上記の写真と同じ構図であとからピントをしっかり合わせて撮り直しをしたのですが、最初の写真と見比べると、綺麗に写っていることが逆に平凡に思えてしまい、写真で表現することの難しさをあらためて実感しました。

それにしても、いつもは旅行やイベントでしか写真を撮らないので、さあここで写真を撮れと言われて、自分で被写体を探して撮るのは本当に難しい…。
撮影会に参加する度にいつもそう思います。

USER2

続いてUSER2、デジタルフィルターのトイカメラ。
四隅の光量が落ちて、少し青みを加えた感じになり、なかなか面白く撮れている写真がちらほらありました。
カメラの設定に構図やシーンがピタッとハマった時は、結果が凄くイイ感じに仕上がっていて自分でもビックリしました。
逆に全くハマらないとイマイチな写真が量産されてしまうのですが…。

USER3

最後にUSER3、クロスプロセス。詳細設定はプリセット1です。
これはさすがに適当に撮っただけでは、何を伝えたいのかが全く分からないただの青い写真になってしまいました・・・
なんとなくカッコ良く撮れるかなと思っていたのですが、そう甘くはなかったです…。

撮影会は平穏無事に終了。
露出とフォーカスをマニュアルで撮るのは新鮮でしたが、一枚一枚神経を使うのでとても疲れました。
私はPモードのスポットAFに戻ります。
ハイパープログラム最高。

でも、普段使わないデジタルフィルターやクロスプロセスで撮るのは楽しかったです。
何事もやってみるもんだなと。

これ、クイックビューや再生モードで撮った写真を見てはいけない制約が幸いした気がします。
もし撮った写真を見ていたら、結果に納得がいかず、元の設定に戻したくなっていたかもしれません。

一度も使ったことがないデジタルフィルターやカスタムイメージはまだたくさんあるので、今回の撮影会を機にいろいろとトライしてみようかなと思います。

今回の撮影会はいつもと違う撮影方法や設定をしたことで、自分の中にあったカメラの楽しさや面白さがより増えて、とてもイイ経験になりました。

KP J Limited + HD PENTAX-FA35mmF2(Yuzu氏)

Yuzu氏の全撮影画像(81枚)

Yuzuです。カメラ屋からの転職組である私は、元々どちらかというと「機材好き」…。カメラを買ったらその機能や性能を味わうがために写真を撮る、というようなモチベーションです。多くの方がそうだと思いますが、カメラを愛でながらそのまま寝る、とかそんな感じです。

日頃の撮影ではだいたいAvモード、ISOオート。室内で子供やペットの撮影ならTAvモードとだいたいカメラ任せ。照明を使った人物やブツ撮りに限っては、すべてコントロールしたいのでMモードといったように使い分けてます。

機材の性能や機能頼りで写真を撮ることが多い私としては、今回の撮影の趣旨である“便利な機能に頼らない”はそもそもかなりの苦行。

最初の一枚

サイドから照らされる車両を印象的に見せるために、露出を切り詰める必要がありました。最初から失敗したくなくて、絞りは絞り気味。置きピン。笑

光と影を意識する

撮影中に意識したのは、光と影を表現することです。うーん、ピントはゆるフワめ。
基本に忠実に、カメラ任せになりすぎないように、測光モードは傾向が読みやすい「中央部重点測光」にしておきました。

意図に合わせて絞りを決め、ファインダー内の露出計を見ながら被写体と撮りたいイメージに合わせてシャッタースピードを調整。渋い仕上がりが好みなので、だいたいカメラの露出計の示す適正よりもアンダー目に撮ってます。
幸いにして露出を大外しすることは少なく、あえてハイキー調に撮ろうと思って白っちゃけたものが2カットほどでした。

「おっ」と気持ちが動いたままに撮る

趣味で写真を撮り続けているとそのうち頭でっかちになってしまい、「ここはこう撮るべき」「こんなときあのレンズがあれば…」などといった考えが割り込んできて、気になったものを心のままに撮るという瞬発力が薄れたように感じていました。

そもそも写真は楽しいものですから、その時の心のままに、持ち合わせた機材で好きに撮れば良いんですよね。しかしこの日の撮影は“失敗してもいいや”みたいな開き直りがあったので、本当に素直に、でも丁寧に撮影を行えた気がします。

カスタムイメージは終始「ほのか(カスタム)」

画づくり周りの設定は途中で変更することなく、終始カスタムイメージの「ほのか(カスタム)」で撮影しています。デフォルトの「ほのか」はハイキー&ローコントラストな仕上がり設定ですが、コントラストを高め、シャドーを落とすことで、銀残しとはまた違ったイメージの渋い色彩と落ち着いた階調表現を目指しました。


すごく良い写真が撮れた!というほどの手ごたえはないものの、カメラの便利機能を駆使しなくとも「意外と撮れる」ということがわかったのがこの日の収穫かもしれません。今回の“便利な機能に頼らない”撮影作法は、そもそも便利な機能が少なかったフィルム時代には当然のように行われていたものであって、良く考えれば当然なのですが…。

きっと今回の経験によって、機材選びやセッティングだけに気を配るのをやめて、純粋に被写体や光を探すことに頭を使い、より写真が楽しくなるだろうと感じています。いっそ、マニュアルカメラで撮ってみたいような…。(結局物欲は収まらない)

最後の1枚

撮影会を終えて

便利な機能に頼らない撮影会を行い、日頃の撮影以上に頭を使い、集中して3人ともクタクタになりました(笑)
でも、便利な機能を抜きにしたほうが、1ショット毎の撮影を楽しめるだけではなく、出来上がった写真に対する強い思いや、写真に対する反省点が見えたことは大きな収穫です。

カメラを使いこなすだけでなく、撮りたいものを想像したり、失敗したり、たまに想像を上回るような写真が撮れたり、といった一連の「体験」が、写真を楽しむうえで良いスパイスになるのでないでしょうか。

普段と違い、サクサク撮影ができないことがストレスになってしまう場合もありますが、たまには気分を変えて、便利な機能を制限して撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか?きっと普段とは違う何かに出会えると思います。