傾けるのはタブー?
写真が傾いていると不安な気持ちになる。そんな理由があるかどうかはわかりませんが、写真の傾きは基本的にNGです。ペンタックスのカメラには電子水準器が入っていることが多く、あらかじめその傾きを抑えて撮ることもできます。
傾きが有効な条件
傾きが有効なのは広角レンズを使うときです。今回使った HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited のような超広角レンズではさらに効果的です。それは、画面を傾けることで広がりを強調できるからです。
左:傾きなし 右:傾きあり
上の比較でも同じ距離で撮影していると傾きがある方が少し広く感じます。これは画面を傾けると画面の中で長さのある斜めの線が強調されるためです。
右上げ?左上げ?それが問題
さらに傾けるといっても画面の右を上げるのか左をあげるのかで印象が変わります。
左:右上げ 右:左上げ
左:細い月が広い空にポツンとある様子を強調するのを意識したのでゲートブリッジの存在感を弱くした。
右:ゲートブリッジと細い月の対比を意識したので、ゲートブリッチの存在感を強くした。
上の比較は角度や被写体のバランスが違うので正確とは言い難いですが、傾きを始めるときは大きく傾けることから始めるとコツを掴みやすいはずです。
左の右上げは実はカメラのボディーは右を下げている状態(右の左上げはその逆)です。これが傾きを狙ったときの盲点になります。
左のような右上げの写真を撮ろうとすると無意識にカメラの右をあげてしまうからです。そうするともちろん左上げの写真になります。
何度やってもわかりづらい場合は左右両方の傾きを撮るのがオススメです。
微妙な角度を楽しむ
上の作例ように角度によってもその印象は変わります。はじめのうちは大きく傾けて、傾けることに慣れたら微妙な角度を楽しんでください。
微妙な傾き その1
太陽の輝きを強調するための広い空間を意識した。
微妙な傾き その2
実は水平で撮影した後に撮り直しました。水平で撮ると木が曲がって生えているのが強調されて不安定に感じて、このときは不安定さより迫力を重視した。
ひと言で傾けるといっても最後は微妙なバランスが大切になるという曖昧な終わり方になっています。基本的にタブーと言われていることも取り入れてみれば意外な効果があるというのが、今回のポイントです。
あとはあなただけのバランスを見つけてください。
次回は、中望遠レンズだけで旅に出ようです。
『ケイタのやってみようシリーズ』のその他の記事はこちら